日本初のバス運行開始/ランドクルーザー累計1000万台突破/日産「ケンメリ」スカイライン登場!【今日は何の日?9月20日】

■京都で日本初の蒸気自動車バスが走る

再現されたキュニョーの蒸気砲車2号車(C)Creative Commons
再現されたキュニョーの蒸気砲車2号車(C)Creative Commons

今日は「バスの日」です。1903(明治36)年9月20日、日本初のバスが京都の堀川中立売~七条祇園の間で営業運行を始めたことにちなみます。バスは蒸気式で、幌の付いてない6人乗りだったそうです。
蒸気自動車の歴史は古く、1769年にN・J・キュニョーが発明したものは、世界初の自動車ともいわれています。石炭や石油を燃料とするボイラーで作る高温高圧の蒸気の力で2つのピストンを交互に押し下げ、それを回転運動に変換するのが蒸気機関の基本的な作動原理です。19世紀末にガソリン自動車が発明された後も、蒸気自動車は長く研究され続けました。オイルショックが起こった1970年代には蒸気自動車の開発が精力的に行われ、1975年の東京モーターショーには、何と日産から蒸気自動車のスチーム・セドリックが出展されました。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●ランドクルーザーの世界累計販売台数が1000万台を突破!

1951年登場のトヨタジープ BJ型
1951年登場のトヨタジープ BJ型

2019(平成31)年9月20日、「ランドクルーザー(ランクル)」シリーズの世界累計販売台数が同年8月末に1000万台を超えたと発表されました。ランクルの歴史は古く、そのルーツは戦後間もない1951年に米軍と警察予備隊(自衛隊の前身)の要請によって製造された「トヨタジープBJ」まで遡ります。その後、ジープという名前がウィリアム社の商標権に抵触することから車名をランドクルーザーに改名、グローバル展開によって初代発売開始から68年で1000万台を達成したのです。ランクルは今年でちょうど70年を迎えますが、流行りのクルマとは一線を画し、時代に左右されない絶対的な存在感は魅力的ですね。発売された300系も大人気で、「納車3年待ち」という噂もあるほどです。

●歴代で最も売れたケンメリ・4代目スカイライン登場!

1972年のこの日、大ヒットした3代目スカイライン(通称「ハコスカ」)の後を受け、日産から4代目となる「ケンとメリーのスカイライン(通称「ケンメリ」)」がデビューしました。

1972年発売の4代目スカイライン(ケンメリ)
1972年発売の4代目スカイライン(ケンメリ)
1972年発売の4代目スカイラインの横外観、流麗なファストバックに丸型テールランプが特徴
1972年発売の4代目スカイラインの横外観、流麗なファストバックに丸型テールランプが特徴

ケンメリは、3代目のダイナミックなハコ型からデザインを一新。人気のサーフィンラインはさらに強調され、シャープながらやや丸みを待たせたスポーティなファストバックフォルムに変貌しました。また、丸形テールランプが復活し、以降スカイラインのシンボルとして継承されることになります。2ドアハードトップと4ドアセダン、ワゴン、バンが設定されましたが、人気となったのはもちろん美しいフォルムのハードトップでした。室内も、大型ソフトパットで覆われたインパネや木目パネルを多用するなど、スポーティかつ豪華に仕上げられました。エンジンとしては、1.8L OHCと新開発の1.6L OHCを標準に、2000GTには2.0L直6 OHCのシングルキャブとツインキャブ仕様が搭載されました。

今や伝説となっている1968年発売の3代目スカイライン(ハコスカ)
今や伝説となっている1968年発売の3代目スカイライン(ハコスカ)

4代目スカイラインは、TVコマーシャルでケンメリの愛称を浸透させ、ハコスカを上回る人気を獲得して歴代最高の販売台数を誇りました。

たった197台で生産終了した1973年発売の4代目スカイラインGT-R
たった197台で生産終了した1973年発売の4代目スカイラインGT-R

また注目されたのは、翌年の1973年1月にデビューした高性能モデル「2000GT-R」でした。ハコスカGT-Rと同じ160PSを発揮する2.0L直6 DOHC 24Vエンジンを搭載、いよいよケンメリもサーキットデビューかと期待されました。ところが、GT-Rは排ガス規制に対応しなかったため、わずか197台で生産を終了しました。その結果、ケンメリGT-Rは超レアモデルとなり、現在は2000万円以上の市場価値があるそうです。

ケンメリの成功は、クルマとしての熟成度に加えて、オシャレなTVコマーシャルなどのイメージ戦略が大きく貢献しました。1980年代に、ホンダ・プレリュードやトヨタ・ソアラなど人気のデートカーが出現しますが、元祖はこのケンメリではないでしょうか。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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