■今秋登場のEV「C40」やPHEVモデルだけでなく、既存のボルボ・オーナーも対象
日本の再生可能エネルギーは、欧州と比べて電源構成に占める比率が高く、ユーザーの費用負担も含めて多くの課題を抱えています。それでも「SDGs(持続可能な開発目標)」といったキーワードを目にしたり、ゲリラ豪雨や猛暑などの異常気象に直面したりすると、環境やエネルギー問題を意識することが多くなっているのではないでょうか。
再生可能エネルギーの比率が低い日本では、EVやPHEVに乗り替えることがトータル(ライフサイクルアセスメントにおいて)CO2排出量削減につながらないものの、ローカルではゼロエミッションもしくは、CO2排出量の削減にはなります。
ボルボ・カー・ジャパンは、2021年9月9日からソフトバンクの子会社であるSBパワーと提携し、全国(北陸電力管内を除く)の正規ディーラーで「実質再生可能エネルギー100%」の電気である「自然でんき」の店頭での斡旋を始めました。SBパワーが自動車ブランドと提携する初めてのケースになるそう。
同社では、外部給電可能なバッテリーEV、PHEVでは、再生可能エネルギー由来の電力による家庭での給電を実現することは、電動車両の環境負荷軽減に大きく貢献するとしています。また、各家庭の電力が再生可能エネルギー由来の電力に替わることで、より大きな環境負荷の低減が期待できます。
今回の提携により、ボルボのPHEV車両の購入者をはじめ、今秋から販売が開始されるボルボ初のEVであるC40のオーナー、さらには既存のボルボユーザーも車両の購入時、あるいはメンテナンスの際に、ボルボ販売店で実質再生可能エネルギー100%電力の申し込みができるようになっています(契約相手は、SBパワー)。
なお、C40は、航続距離420kmの電動クロスオーバーモデル。EVやPHEVなどの電動車両に対して、国や地方自治体などの補助金によっては、家庭の電力を再生可能エネルギーに切り替えることが条件になっているものもありますから、ボルボ正規販売店で手軽に申し込みができるのは、オーナーにとっては便利でしょう。
ボルボは、環境負荷低減を目指し、2030年までに販売するすべての新車をバッテリーEVに移行し、2040年にはCO2排出量実質ゼロにする「クライメート・ニュートラル」を目標に掲げ電動化を推進しています。
2025年には世界販売の50%をバッテリーEVとし、日本市場でも販売台数の35%をバッテリーEVにする計画。また、外部から給電し、電気のみの走行も可能なPHEVを現在販売されている6車種すべてに導入するとしています。
今回、ボルボ・カー・ジャパが提携したSBパワーは、エネルギーに関わるサービスの開発、提供を通じて持続可能な社会への貢献を推進しています。「自然でんき」は、実質再生可能エネルギー100%の電気を顧客に届けることに加えて、1契約につきSBパワーが経済産業省、環境省、農林水産省が運営する「J-クレジット制度」の認証事業を行う団体に対して50円/月の活動支援金を拠出。これにより、森林保全活動の支援も行っています。
SBパワーは、クルマの電動化が進む社会で「自然でんき」の提供を通じて、脱炭素化に取り組んでいくと表明しています。
なお、今回の提携を記念して、ボルボ正規販売店経由で「自然でんき」申し込みをすると、「電気代2ヵ月無料」のキャンペーン(2022年3月末)の対象になります。
(塚田 勝弘)
【関連リンク】
専用サイト
http://www.softbank.jp/energy/special/shizen-denki_volvo