富士山に観測所/礼宮様がVWビートルでドライブ/トヨタのスプリンターカリブがデビュー!【今日は何の日?8月30日】

■富士山に野中観測所設置

現在の富士山観測所
現在の富士山観測所

1895(明治28)年8月30日、富士山頂に天候観測のため、気象学者の野中到氏によって野中観測所が開設されました。私財を投じた施設で、通年測候所としては世界一標高の高い天候観測所でした。千代子夫人とともに命がけの観測を始めましたが、山頂は氷点下-30℃以下、風速60m/s以上になることもあり、千代子夫人とともに体調を崩し越冬は叶わず途中で下山しました。野中観測所は、1923年に気象庁が開設した富士山測候所にその役目が引き継がれました。現在は、無人の観測が行われています。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

●礼宮様が愛車VWビートルでドライブ

黄色いビートル(イメージ)
黄色いビートル(イメージ)

1989(平成元)年のこの日、礼宮様(現、秋篠宮親王)が当時の天皇・皇后(現、上皇・上皇后)両陛下とともに、ご静養中の那須御用邸付近で黄色のVW「タイプ1(ビートル)」でドライブを楽しまれました。

上皇ご愛用車と同型のホンダインテグラ
上皇ご愛用車と同型のホンダインテグラ

皇室は、基本的には御料車(センチュリーロイヤル)または私的利用車両と呼ばれる「アルファード」や「ディグニティ」などで移動されます。ただし、皇居内や那須御用邸では自分で運転されることがあります。若き日の秋篠宮親王の愛車は、先の黄色のVWビートル。上皇様は、クルマがお好きなようで、「プリンス・セダン」「プリンス・グロリア」と愛用され、最後はホンダの1991年式「インテグラ」にお乗りでした。上皇様は2018年、85歳の誕生日に運転免許を更新せずに失効、64年間無事故無違反で卒業されました。ちなみに現在の天皇陛下は運転免許をお持ちでないそうです。

●RVブームの先駆けになったトヨタのスプリンターカリブデビュー!

1982(昭和57)年のこの日、トヨタからターセルをベースにした「スプリンターカリブ」がデビューしました。スプリンターカリブは、「ニュー・アクティブ・ビークル」というキャッチコピーで、流行し始めていたアウトドアブームに対応したモデル。アウトドアを楽しむために、通常はFF走行、不整地や雪路では4WDとするパートタイム4WDを装備した多目的ワゴンです。

1982年発売のスプリンターカリブ
1982年発売のスプリンターカリブ
1982年発売のスプリンターカリブ(Side View)
1982年発売のスプリンターカリブ(Side View)

ハイルーフに大型のウィンドウガラス、高い最低地上高、縦長のリアコンビランプなど、既存のワゴンとは一線を画する個性的なスタイリングを採用。さらにホイールベースを長くして室内空間や荷室は1クラス上の広さを実現しました。搭載エンジンは、4WDが構成しやすいターセル用縦置き1.5L OHC、駆動方式は新開発の、走行中でも切替可能なFF/4WD切替機構を採用。走破性に優れ、荷物がたくさん積めるスプリンターカリブは、アウトドアファンからは絶大な支持を受け、販売を伸ばしました。

1984年発売のホンダ・シビックシャトル
1984年発売のホンダ・シビックシャトル
1991年発売の三菱・RVR
1991年発売の三菱・RVR

その後、ホンダの「シビックシャトル」、三菱「シャリオ」、スバルレオーネ・ツーリングワゴン」とRV指向を強めたライバル車の登場によって、スプリンターカリブの人気は押されていきます。しかし、多目的ワゴンの人気に火を付け、多くのアウトドアファンの目を引き付けたという意味で、その後に隆盛をきわめたRVブームのパイオニアとしての貢献度は大きいと言えますね。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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