■全高はワゴンRより45mm高い1695mm、エンジンは自然吸気のみ
スズキのワゴンRシリーズに、新たなモデル「ワゴンRスマイル」が登場しました。
ワゴンRは1993年に初代モデルが登場したモデルです。軽自動車はエンジンの排気量だけでなくボディサイズも限られているため、どうしてもユーティリティに限界があります。
そこでスズキは、規格サイズに余裕がある全高に注目、全高を高くするパッケージングを採用することでユーティリティを確保、トールワゴンという新たなジャンルを確立しました。
初代モデルは、当時のアルトの基本コンポーネンツを用いて作られました。部品共有率はじつに70%と高いものです。
多くの部品を共有しつつ、まったく違うタイプのクルマを作るという手法は、当時社長だった鈴木修氏がフォルクスワーゲンの工場を視察した際の経験を生かしたと言われています。
初代ワゴンRでは右側のドアはフロントのみ、左側はフロントとリヤ(ともにヒンジドア)とした「ワンツードア」などが採用されたモデルも存在。アイディア満載のクルマ作りと、男性も乗りやすいスタイリングなどを背景に、軽自動車シェアの拡大に大きな役割を果たしました。
初代ワゴンRは1993年~1998年の期間で販売、その後4年~5年ペースでモデルチェンジをくり返し、2017年に現行モデルとなります。
スズキは2021年5月に4輪車の国内累計販売台数で累計2500万台を記録、このうちワゴンRはアルトに次ぐ販売台数となる481万台に上ります。全国軽自動車協会連合会の統計によれば、ワゴンRは2004年~2011年の8年間、軽自動車でトップセールスを記録している、まさに「オバケグルマ」でした。
ワゴンRは派生モデルも含めて、初代から最近モデルまで一貫して変わらない部分がありました。それはヒンジ式ドアを採用するということです。初代モデルの象徴的な装備であったワンツードアもヒンジドアでした。
しかし、今回登場したワゴンRスマイルは、ワゴンR史上初となる後席スライドドアが採用されました。
詳しい内容はそれぞれ項目ごとに解説しますが、新型ワゴンRスマイルの最大の特徴はリヤの両側スライドドア、そしてワゴンRよりも45mm高い車高、丸形ヘッドライトを採用した親しみやすいスタリングなどが上げられます。
搭載されるパワーユニットは3気筒の自然吸気のみ。エンジンのスペックは49馬力/50Nmで、マイルドハイブリッドモデルの場合は2.6馬力/40NmのISG(モータージェネレーター)がアシストを行います。
グレード展開はエンジンモデルのG、ハイブリッドS、ハイブリッドXで、それぞれにFFと4WDを用意。価格は129万6900円~171万6000円となります。
(文・写真:諸星 陽一)
【関連記事】
ワゴンR スマイルのガソリン車は120万円台、ハイブリッドは140万円台から【スズキ・ワゴンR スマイル紹介/価格、装備バリエーション編】
https://clicccar.com/2021/08/27/1110536/
楽しい雰囲気があふれ出る明るい室内のワゴンR スマイル【スズキ・ワゴンR スマイル紹介/インテリア&ユーティリティ編】
https://clicccar.com/2021/08/27/1110532/
今や軽乗用車の半分以上がスライドドア【スズキ・ワゴンR スマイル紹介/ボディサイズ&エクステリア編】
https://clicccar.com/2021/08/27/1110530/
ワゴンR スマイルは自然吸気エンジンのみ、ACCはハイブリッドモデルのみ搭載【スズキ・ワゴンR スマイル紹介/メカニズム&セーフティ編】
https://clicccar.com/2021/08/27/1110534/