■世界限定12台の「バカラル」とクラシカルなデザインが再現された「ブロワー」1号車が完成
現在、ベントレーのビスポーク部門であるマリナーは500年以上の歴史を誇り、馬車と鞍の製造からスタートしたそうです。
このほど、ベントレーマリナーは、最高峰のハンドクラフトによるビスポークプロジェクトの新シリーズである2モデルを完成させています。
そのうちの1台である「バカラル・カーワン」は、マリナーによる新しいコーチビルドのバルケッタで、顧客へのデリバリー第1号。
もう1台の「ブロワー・カーワン」は、ヘンリー・ティム・バーキン卿の1929年製スーパーチャージド4.5Lをミリ単位の精度で再現した個体で、世界初の戦前の「コンティニュエーション」シリーズ最初の車両です。
「ブロワー・カーワン」は、「ブロワー・コンティニュエーション」シリーズの1号車で、クラシックなデザインが完璧に再現されています。なお、テスト車両には「ゼロ」、1号車には「ワン」が付けられます。
ボディは、当時も使用されたレクザイン社製の人工皮革のレザークロス生地で縁取られ、ベースとなったオリジナルのブロワーの色が再現された特注の「バーキングリーン」のペイントで仕上げられています。
メカニズム的には、バーキンのオリジナルと同じですが、加えて最新の電動燃料ポンプと、燃料タンクへのフォームバッフルを装備。
また、オリジナルのダイナモが改良されたダイナメーターが追加され、オリジナルのダイナモの外観を維持しながら、よりパワフルで信頼性の高い充電システムを実現。
エンジンはW.O.ベントレーが設計した4.5Lの新品で、アルミニウムピストン、オーバーヘッドカムシャフト、シリンダーあたり4バルブ、ツインスパークプラグを装備。
フロントには、ブロワーの名の由来となった象徴的なスーパーチャージャーが取り付けられていて、著名なエンジニアであるアマースト ・ヴィリエが1920年代に製作したものを正確に再現したものだそう。
出力は100年近い歴史を持つこの設計で、240bhpを発揮したそうです。「バカラル・カーワン」は、内外装の素材、色、仕上げのほとんどがビスポークになっています。
ボディは、カーボンファイバー製で、顧客のビスポークカラーであるシャンパン色を帯びたサテンシルバーの「アトム・シルバー」で仕上げられています。
足元には、22インチのバカラル・トライフィニッシュ・ホイールが備わり、ポリッシュ仕上げのフェース、ダークグレーの「サテン・スポーク」、「グロス・モスグリーン」のアクセントが施されています。
「モスグリーン」のアクセントは、フロントグリルのセンターバー、ヘッドランプ内側、アッパーボディのクロームサラウンド、リヤのグロスブラックのパワーハンプまわりにも施されています。
また、Aピラー、グリルのメッシュとサラウンド、ボンネットベント、サイドベント、ロワーボディ、リヤバンパーインサート、ブレーキキャリパーにもグロスブラックのコントラストが施されています。リヤまわりは、グロスブラックのアウターエキゾーストチップとモスグリーンのインナーで仕立てられています。
インテリアには同じ「ブラック&グリーン」が踏襲されています。キルティングパターンによるコントラストステッチがコンソールのウイング、シートバック、キャビン全体に施されています。
シートセンターには、上質なナッパレザーを採用。さらに、カーペットには、ダイヤモンドカービングが施されたオーバーマットに、モスグリーンのバインディングとステッチも施されています。グロスブラックのウッドの上には、オープンポアリバーウッドが重ねられ、ユニークなサテンブロンズのディテールが、コックピットからドア、フロントシート後方に配置されています。
(塚田勝弘)