■音・振動面の遮断も見事なディーゼルエンジン車
ランドローバー・ディフェンダーの2022年モデルが2021年6月に発表されています。
3ドアであるディフェンダー90(ナインティ)を中心としたプレス向け試乗会には、5ドアの110(ワンテン)も用意されていました。試乗したのは、3.0Lの直列6気筒ディーゼルターボエンジンに、48Vマイルドハイブリッドが組み合わされた「X D300」。車両本体価格は、1171万円です。
搭載されるエンジンは、300PS(221kW)/4000rpm・650Nm/1500-2500rpm。モーターは、18kW/55Nmを発揮。650Nmもの分厚いトルクによる恩恵は明らかで、試乗ステージだった箱根の山道でも2420kgのヘビー級ボディを軽々と加速させていきます。
直列6気筒らしいスムーズな回り方も魅力。個人的には、レンジローバーなどが積んできたスーパーチャージャーモデルの豪快かつ、ヒューンという音もスポーティで好意的に捉えてきましたが、48Vマイルドハイブリッド化された3.0L直列6気筒ディーゼルもパワフルで魅力的に感じられました。
マイルドハイブリッド化により出だしもスムーズで、重いボディを難なく発進させます。さらに、音や振動の遮断も1000万円級の高級SUVにふさわしいレベルで、アイドリング時や低速走行時にディーゼルと気がつく程度。
ロングホイールベースを活かしてショートボディ版の90よりもフラットな乗り心地であるのも美点です。
90は、ピッチングが少し大きめに感じられるシーンもあり、110は、より落ち着いた良好な乗り味を享受できます。110にも2.0Lガソリンエンジンモデル(300PS/400Nm)が設定されていますので、パワートレーンの選択で迷う方もいるかもしれません。
トルクフルで重量級のディフェンダーによりマッチしているのは、3.0Lディーゼルエンジンモデル。なお、WLTCモード燃費は、3.0Lディーゼルエンジン(48Vマイルドハイブリッド)が9.9km/L、2.0Lガソリンエンジンモデルが8.3km/Lとなっています。
車両本体価格は、3.0Lディーゼルエンジンモデルが754万円〜1171万円。2.0Lガソリンエンジンモデルは619万円〜855万円。
個人的には、パワーフィールや燃費の面からも予算が許せば、ディーゼルエンジン仕様がベストチョイスといえそうです。
(文:塚田 勝弘/写真:小林 和久)