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■新たに「MOTO INFO/モトインフォ」発信!
日本自動車工業会・二輪車委員会は、3月に終了した紙媒体「「Motorcycle Information/モーターサイクル インフォメーション」に代わり、7月から「MOTO INFO/モトインフォ」を立ち上げました。
情報発信の対象を報道向けから広く一般ライダーに拡大し、情報ニーズの多様化と高速化に対応。二輪車の楽しさや便利さをテーマに複数の記事をニュースサイト形式で同時発信しています。
●タイムリーな話題を提供
7月15日時点でレポートは13本。その中には特集記事が4本。
たとえば、国内4メーカー販売会社トップがそろって国内二輪車市場を語るレポートでは、カワサキモータースジャパンの寺西猛社長が2020年を振り返り、「店頭に在庫がなくなってきたから早く欲しい」という声が上がったほど、小型二輪が2019年10月同月比で120%、軽二輪は300%以上プラスの販売実績をあげた、と語りました。
また、ホンダモーターサイクルジャパンの室岡克博社長は「課題はあるが、バイク人気が来ているという肌感覚がある」と、二輪車市場に手応えを感じている様子。新たなムーブメントを、若者に支持されるレブル250、40歳以上の壮年男性に支持されるCT125ハンターカブをあげて説明しています。
そのほかの特集記事では、大阪大学や大阪府と合同で取り組む電動バイクの実証実験「eやんOSAKA」についても掲載されています。この実証実験は、自工会・日高祥博副会長(=ヤマハ社長/※「高」は、はしごだか)が二輪車の電動化普及の第一歩として自工会会見でも取り上げているものです。
さらに、2020年7月の豪雨で活躍した由布市バイク隊と飛騨高山バイク隊の活躍も伝えています。今年も各地で豪雨災害が発生していますが、今年の豪雨対応にも役立ちそうな内容です。
バイク駐車場問題についても、駐車場の供給とライダーの使いたい場所のミスマッチを視点に語っています。
●課題はスピード感のある発信
モトインフォは問題提起型の特集記事のほかにも、ツーリングの行先情報に変わるバイク聖地巡礼などの記事も盛り込まれて、楽しめる内容になっています。ただ、始まったばかりのせいか、自工会の情報発信のスピード感はまだ足りないない気がします。
自工会二輪車委員会は3月にモーターサイクルインフォメーションを終了し、5月からモトインフォをスタートさせる予定でした。それが7月まで延期されていましたが、延期されたモトインフォがいつ発表されるかという対外的な表明は、モトインフォの立ち上げまで明らかにされませんでした。
さらに、掲載された記事についても、問題提起型の特集時期は昨年から今年初めにかけて旧来の紙媒体で表明されてきた記事の再掲載。モトインフォのために作成された新たに記事は、WEB媒体の即時性をあまり必要としない旅情報的に限定されていました。
モーターサイクルインフォメーションは1988年から続いていましたが、WEBに転載されていたその内容も、今では見ることができません。紙媒体のように定期的・定量的なきっかけがないだけに、常に読者の興味をひきつけておくためには、これまでになかった情報発信の力が必要です。
自工会二輪車委員会はモトインフォ発信にあたって、こう語っています。
「月1回発行からタイムリーに発信するよう準備を進めており、メディアをはじめ幅広い層のご期待に沿えるようコンテンツの充実を図っていく所存です」
モトインフォは、登録などの必要はなく閲覧できます。国内二輪車メーカーが考えるバイクの“今”がわかります。
(文・写真 中島みなみ)
【関連リンク】
MOTOINFO(モーターサイクルインフォメーション)
https://motoinfo.jama.or.jp
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