■ヒュンダイ「Ioniq 5」、起亜「CV」と「E-GMP」プラットフォームを共有
ヒュンダイ傘下のプレミアムブランド「ジェネシス」が開発中のフルエレクトリック・クロスオーバー・クーペSUV市販型プロトタイプをスクープしました。
ジェネシスは販売台数でレクサスに押されていましたが、2020年には自動車耐久品質調査で長年キングの座に君臨してきたレクサスの牙城を崩し、世界NO1の座の栄冠を手にしており、もっとも勢いのあるブランドの一つと言えます。
車内コード「JWEV」と呼ばれる電気クロスオーバー・クーペSUVは、ヒュンダイ「Ioniq 5」、起亜「CV」と「E-GMP」プラットフォームを共有することで、コスト競争力を高める、ブランド初のEVモデルです。
E-GMPは、車体の下部を平坦化し、高電圧バッテリーや、長距離走行用モーターに最適化するよう設計されています。また電池などのダイナモメーター部品も簡単に交換可能で、車種バッテリー容量は変動、航続500km以上を目指しています。
市販型では全輪駆動となり超高速充電のサポートに対応、約20分で容量の80%を充電、史上初となるワイヤレス充電に対応する可能性もあります。
捉えたプロトタイプは、フロントグリルが完全に覆われており、既存の「クレストグリル」を備えているか、それとも新設計されるものかは確認ができない状態です。しかし、同ブランドの「ツーライン」シグネチャーをフロントとリアにはっきりと示していることがわかります。
カバーが施されているため、正確なボディサイズは不明ですが、予想されていたものよりコンパクトで、GVシリーズとは異なるエレクトリックモデルのユニークなデザインを通じ、テスラ「モデルY」、メルセデス・ベンツ「EQB」、アウディ「Q4 E-Tron」などのプレミアムEVクロスオーバーSUVと競合すると思われます。
またジェネシスは、この新型EVを発売することにより、その高度な技術と高い収益性を誇示することを目指すといいます。
ジェネシスがプレミアムEV市場に「JWEV」を投入するのは、この市場の可能性を信じているからです。現在同市場はテスラが主導しており、競合他社は多くありません。メルセデス・ベンツ、アウディ、ジャガーだけが独自の電気SUVモデルでテスラを追っている状況で、BMWとポルシェは現在開発を進めています。
来年ジェネシスは大型セダンベース「G80 EV」や、セミミディアムSUVベースの「GV70 EV」などの派生モデルを続々と投入、EVのラインアップを大幅に強化する構えです。
JWEVは今年後半に量産を開始予定で、年間生産目標は22,000台に設定されています。