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■迫力のリヤウイングから車高ダウン可能なスプリングまで多数のパーツをラインアップ
●新型BRZ発売前だけど、STI製ドレスアップ&パフォーマンスアップパーツが登場!
すでにスバルBRZとトヨタGR86のフルモデルチェンジは発表されていますが、いまだメディア向けの試乗会などは開催されず、スタイルやスペックなどが発表されたにとどまっています。
しかし、そうしたなかではあるものの、スバルのワークスであるSTIブランドを展開するスバルテクニカインターナショナルは、早くもBRZ用パーツの発表を行いました。
スバルテクニカインターナショナルは、1988年にスバルのモータースポーツ部門を担う会社として、当時の富士重工業が100%出資した子会社として設立されました。
初代レガシィが達成した『FIA公認10万km世界速度記録』も、スバルテクニカインターナショナル主導のもと達成されています。
以降、WRCやスーパーGT、ニュルブルクリンク4時間レースへの参戦など、モータースポーツへの積極参戦によって得たノウハウを生かし、車両開発やパーツ開発を行ってきました。
初代BRZは2012年に登場しています。ご存じのようにトヨタGR86との兄弟関係にあるモデルで、初代は2020年に生産を終了し、2021年中に発売が開始されると言われる新型への移行を進めています。
2代目となる新型は、初代よりもなお一層、それぞれに異なる味付けが行われると言われています。現時点でSTIパーツが存在することからもわかるように、今回のBRZ用パーツは新型車の開発と平行して行われています。
そもそもBRZはトヨタ86と共同で開発が進められていますので、そのなかにスバルテクニカインターナショナルが入ってパーツ開発を進行するというのは、それだけでもかなり大変な作業であったことが予想されます。
●トータルでのエアロチューンがおススメ!
まずはボディのエアロパーツ関連から。各パーツ名にはSTIエアロパッケージのように、すべてSTIが冠されるので、ここではSTIを略して紹介していきます。
エアロパッケージとしてセットされているのがフロントアンダースボイラー、サイドアンダースボイラー、リヤサイドアンダースボイラーの3点です。これらは単品での販売も行われますが、STIではセットでの装着を推奨しています。
開発には机上での解析に加えてスバル本体の風洞実験場を使っての試験も行い、ダウンフォースと空気抵抗のバランス取りがしっかりと行われていますので、ドレスアップ目的であってもセットで装着するのが好ましいでしょう。
またエアロパッケージにフレキシブルVバーとフレキシブルドロースティフナー・リヤを組み合わせたセット(つまりエアロ3点と、ボディパーツ2点の計5点セット)が用意されます。
BRZのエンジンルーム内にはバルクヘッドとストラットタワーを結合するトラス形状の剛体パーツ(パイプ)が装着されていますが、これをピロボールジョイント付きのパーツと置き換えるのがフレキシブルVバーです。剛体パーツのパイプの場合、ボディの動きをすべて規制してしまいますが、フレキシブルVバーはねじりなどの成分は残しつつ、クルマの動きに悪影響を及ぼすボディの変位を抑えるというものです。
フレキシブルドロースティフナー・リヤも同じような働きをするパーツですが、フレキシブルVバーがノーマルパーツとトレードインするものなのに対し、フレキシブルドロースティフナー・リヤは追加で装着するパーツとなります。
そのほかにボディパーツとして用意されているのは、フロントアンダースポイラーの下に装着するスカートリップ、フロントフェンダー後ろ側に装着するフロントフェンダーガーニッシュ、そしてドライカーボンリヤスポイラーです。
リヤスポイラーは非常に大きなウイング形状で、リヤハッチに装着します。見た目はかなり派手ですが、STIがロードモデル用としてリリースするパーツですからもちろん、車検対応タイプです。
こちらのリヤスポイラーも単品で装着するのではなく、基本的はエアロパッケージとセットで装着することがすすめられています。
●排気系、フットワーク系も!
機能パーツではパフォーマンスマフラー、コイルスプリング前後、18インチ鍛造アルミホイール(マットブロンズ)、セキュリティホイールナットセットが現状で用意されます。
マフラーは高回転で気持ちいいエキゾーストノートを奏でつつ、低回転では音量を抑えた仕様。
コイルスプリングは10mm程度の車高ダウンになるとのこと、バネレートは3Nm/mm程度(10%程度)のアップで、まずは車高を下げることを目標として、その車高ダウンにあった性能を出すためにバネレートを決めたとのことです。
ショックアブソーバーはノーマルとの組み合わせを前提しています。ただし、コイルスプリング前後はMTモデルのみに設定されるということです。ATに設定がないのはアイサイトとの相性の問題で、コイルスプリング装着時に各種の制御とのマッチングがズレる可能性があるとのことです。
ホイールはGT300のデザインをイメージしていて、マットブロンズのカラーもGT300マシンをリスペクトとしているとのことです。また、今後はピロボールラテラルリンクやドリルドブレーキローターもリリース予定だと言います。
インテリア用のパーツとしては、プッシュエンジンスイッチとレザーシフトノブを用意。内外装、そしてパフォーマンス関係もグレードアップできるSTIパーツが新車発売と同時に手に入るというわけです。新車納車と同時に、ライバルに差をつけたい人はぜひ検討を。
(文:諸星 陽一/写真:土屋 勇人)