新型メルセデスベンツCクラスは新機能が満載。セダンとステーションワゴン各グレードの発売時期に違いあり!

■セダンは654万円〜、ワゴンは680万円〜

メルセデス・ベンツの基幹モデルともいえるCクラス(セダン、ステーションワゴン)が、2021年6月29日にフルモデルチェンジを受けました。同年7月下旬 から「C 200」、「C 220 d」の先行予約を受付、セダンの「C 200」、「C 220 d」は今年の秋頃、「C 200 4MATIC」は、2022年第一四半期、「C 350e」は2022年中頃、ステーションワゴンの「C 200」、「C 220 d」は2022年第一四半期のデリバリー開始の予定です。5代目となる新型メルセデス・ベンツCクラスは、約7年ぶりの全面改良になります。

メルセデス・ベンツCクラス
2021年6月29日に発表された、新型メルセデス・ベンツCクラス

●エンジンは全ラインナップで電動化

搭載されるパワートレインは、マイルドハイブリッドの「ISG(Integrated Starter Generator)」、もしくはプラグインハイブリッドが設定され、全ラインナップを電動化。「C 200」、「C 200 4MATIC」の各モデルには、エンジン単体で204PS(150kW)、300Nmを発生する1.5L直列4気筒ターボエンジンの新型「M254」が搭載されます。また、「C 220 d」各モデルには、エンジン単体で200PS(147kW)、440Nmを発生する直列4気筒の2.0Lクリーンディーゼルターボの「OM654M」が積まれます。

メルセデス・ベンツCクラス
天地に薄いテールランプなど、Sクラスとの共通性を感じさせるリヤビュー

両パワートレインとも、エンジンとトランスミッションの間に配置されるマイルドハイブリッドシステムのISGによって、短時間、最大で20PS(15kW)、200Nmのブーストが可能で、従来型の「C 200」よりもエンジン、モーターの双方がより強力になっています。また、「C 220 d」は、メルセデス・ベンツ初のクリーンディーゼルとISGが組み合わされたモデルになります。高トルク、省燃費が魅力のクリーンディーゼルに、電気による緻密なサポートが組み合わさることで、さらにスムーズな加速感と、燃費の低減に寄与するそう。

メルセデス・ベンツCクラス
新型CクラスのインパネにもSクラスのようにタブレットのようなセンターディスプレイが備わる

なお、ガソリンエンジンの「C 200」の従来型に採用されていた「BSG(Belt driven Starter Generator)」と比較して、ISGはエンジンとトランスミッションの間に配置されることから、より強力で効率的でありながら、瞬間的なブーストが可能。2022年内の日本導入が予定されている「C 350 e」は、204PS(150kW)、320Nmを発生する新型1.5L直列4気筒ターボエンジン「M254」に、最大129PS(95kW)、440Nmを発生するモーターが組み合わされたプラグインハイブリッドになっています。内部に冷却システムを備えた25.4kWhの大容量のリチウムイオンバッテリーが搭載され、回生ブレーキによるエネルギー回収能力を高めるなどの結果、電気のみでの走行可能距離100kmを達成。日常の近距離走行では、EVのようにモーターのみでの走行がメインになり、ロングドライブでは、エンジンと併用することで、充電状況を気にすることなく使用することが可能です。

メルセデス・ベンツCクラス
新型メルセデス・ベンツCクラスのエクステリア

●ラインやエッジを削り官能的になったエクステリア

新型Cクラスのエクステリアは、短いフロントオーバーハングとロングホイールベース、リアオーバーハングの組み合わせにより、ダイナミックなフォルムを獲得しています。パワードームを備える迫力あるボンネットがスポーティなムードを強調。ウインドスクリーンとキャビンを大きく後方に配置することで、Cクラスらしく伝統的でありながら、スポーティな姿が目を惹きます。先代と比べると、全幅の拡大は10mmに抑えながら、全長は65mmストレッチされ、伸びやかなフォルムになっています。

また、「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」という同ブランド最新のデザインの基本思想に基づき、ラインやエッジを大幅に削減。曲線を描く彫刻的な面により、印象的な陰影を生み出しています。その中で、サイドウインドウ下端に近いショルダー部にフロントからリアまでを貫く、Sクラスと同様に「キャットウォークライン」と呼ばれるキャラクターラインを1本通すことで、車高を低く、スマートに見せる効果が得られるそう。ヘッドライトは、新型Sクラスと同様に、先代よりも上下方向に薄く、エッジの効いたデザインになっています。

メルセデス・ベンツCクラス
新型Cクラスのフロントシート

また、緩やかな多角形のラジエターグリルの中央にスポーティな印象を与えるお馴染みの「スリーポインテッドスター」が配置されています。「AMGライン」を選択すると、よりダイナミックな下側に広がる台形型の「Aシェイプグリル」になります。Aシェイプグリルには、マットクローム仕上げの小さなスリーポインテッドスターが無数に配置されています。フロントバンパーもさらにスポーティでダイナミックな意匠になります。リアにも新型Sクラス譲りの三角形で、横に長い2分割式リヤコンビネーションランプを用意。伸びやかなシルエットを得た新型CクラスのCd値は、セダンが最小で0.24、ステーションワゴンが0.27で、高いエアロダイナミクス性能と、省燃費性能を実現するそう。

●Sクラス譲りの先進的なインテリア

一方のインテリアは、ダッシュボードは上下2つの部分に分かれているのが特徴。アッパー部は翼のような形状で、航空機エンジンのナセルのような丸みがあり、横長の新デザインの角型エアアウトレットが配置され、スポーティさを強調。ロア部には、大きなインテリアトリムが配置されていて、センターコンソールからダッシュボードへの連続性が表現されています。

メルセデス・ベンツCクラス
11.9インチの縦型ディスプレイ

また、コクピット感覚を印象づける設計もされています。ダッシュボードと縦型の11.9インチのメディアディスプレイを6度、ドライバー側に傾けられた新しいデザインが採用されています。運転席に備わる12.3インチの大型コクピットディスプレイは、自立型でダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮かんでいるように見えます。コックピットディスプレイとメディアディスプレイは3つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック)、3つのモード(ナビゲーション、アシスタンス、サービス)の中から選択することでカスタマイズすることができます。

ステアリングホイールも同ブランドの最新世代になっています。カーナビやインパネ内の各種設定や安全運転支援システムの設定をすべて手元で完結できる高い操作性を備えています。

メルセデス・ベンツCクラス
新型Cクラスのリヤシート

さらに、新たにリム部分に静電容量式センサーを備えたステアリングパッドを用意。ステアリングホイールにかかるトルクがなくてもドライバーがステアリングホイールを握っていることが認識され、「ディスタンスアシスト・ディストロニック」の操作性を向上。さらに、「AMGライン」を選択すると、ツインスポークのスポーティなステアリングホイールになります。

シートの調整スイッチやドアハンドルが配置された、フロントドアのブラックパネルは、エッジがクローム仕上げになり、ドア表面から浮き上がるようなデザインに加えて、アンビエントライトの照明による上質感を演出。キャビンを彩る「アンビエントライト」も改良され、64色から選択可能で、単色の発光に加えて色の連続変化も用意されています。また、エアコンの温度設定に連動して、青や赤に点灯。また、ホイールベースは従来より25mm、後席レッグルームは21mm広がり、後席のヘッドルームも13mm拡張されたため、リヤシートの居住性が向上しているそうです。

メルセデス・ベンツCクラス
新型Cクラス(セダン)のトランク

●新時代のインフォテインメントと運転支援システム

さらに、新型Cクラスには、12.3インチのワイドディスプレイが配置され、11.9インチの縦型ディスプレイが備わるセンターディスプレイの2画面が標準装備されています。対話型インフォテインメントシステム「MBUX」も備わり、ボイスコントロールは「Hiハイ, Mercedesメルセデス」をキーワードとして起動。音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加えて、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な機能にも対応しています。また、音声認識だけではなく、タッチスクリーン、ステアリングホイールにあるタッチコントロールボタンでも操作をすることが可能。そのほか、EクラスやSクラスに続き、拡張現実のARナビゲーションもオプション設定されます。

また、Sクラスと同様に、ドライバーの指紋や声の生体認証、PINコードによる認証に対応。どちらかの認証により、シート、ステアリング、サイドミラーのポジションやコックピットディスプレイの表示スタイル、ペアリングしたスマホ、ナビのお気に入り設定などを統合して読み込むことができます。

メルセデス・ベンツCクラス
新型Cクラスの走行シーン
メルセデス・ベンツCクラス
「リヤ・アクスルステアリング」により小回り性能と走行安定性を両立する

先進安全装備も完備されています。新型Sクラスから搭載されるメルセデス・ベンツ最新の安全運転支援システム「インテリジェントドライブ」が用意されます。センサーはフロント長距離レーダー(長距離最大検知角度9度、近距離最大検知角度90度)、フロントマルチモードレーダー(2個。最大検知角度130度)、リヤコーナーレーダー(2個。最大検知角度130度)、ステレオマルチパーパスカメラ(最大検知角度70度)、360度カメラ(4個。最大検知角度 180度)、駐車支援に使う超音波センサー(12個。最大検知角度 120度)となっています。

新型Cクラスには、「リア・アクスルステアリング」が備わり、さらに進化しているそう。約60km/h以下では、後輪を前輪とは逆方向に最大2.5度傾けます。これにより日常の走行シーンや、駐車する際には回転半径が小さくなるため、クルマが扱いやすくなります。約60km/hを超えると、リヤホイールをフロントホイールと同じ方向に最大2.5度操舵することで、走行安定性を大きく高めるそう。従来のメルセデスの美徳である小回り性能を犠牲にしないだけではなく、中高速域での安定性、優れたハンドリングも両立したとしています。

セダンの価格は、「C 200 アバンギャルド(ISG搭載モデル)」が654万円、「C 200 4MATIC アバンギャルド(ISG搭載モデル)」が684万円。「C 220 d アバンギャルド(ISG搭載モデル)」が682万円。「C 350 e アバンギャルド」は未定。ステーションワゴンの「C 200 アバンギャルド(ISG搭載モデル)」が680万円。「C 220 d アバンギャルド(ISG搭載モデル)」が708万円。なお、下記のサイトで新型Cクラス予約特典が利用できる先行予約特典のエントリーも実施中。先述したように、先行予約の開始は、7月下旬の予定となっています。

塚田勝弘

【関連サイト】
C-Classセダン
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/campaigns/c-class-mi/c-class-saloon-w206-mi.htm

C-Classステーションワゴン
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/campaigns/c-class-mi/c-class-estate-s206-mi.html

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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