アメリカンスポーツカー「マスタング」の遺伝子は電動SUVでも不変!

■「マッハE」は高性能でスタイリッシュな電動SUV

フォードモーターの新型EV、「マスタングマッハE」の高性能バージョンとなる「GT」と「GTパフォーマンス・エディション」が先頃、米国EPA(米国環境保護局)の認証を取得したそうです。

フォード マスタング マッハE 「GTパフォーマンスエディション」の精悍なフロントビュー

フォードは2022年までに電動化に110億ドル以上を投資しており、全世界で電動車両のラインナップを40車種に拡大する予定で、うち16車種をEVにする計画を掲げています。

そのEVのひとつがパフォーマンス志向の電動SUV、「マスタング・マッハE」となります。

ちなみに「マスタング」はフォードを代表する伝統的なスポーティカーで、「マッハE」のネーミングは、70年代にマスタングに設定されていた高性能モデル「マッハ1」を連想させます。

●「GTパフォーマンス・エディション」の0-96km/h加速は3.5秒!

精悍なフォード マスタング・マッハE 「GT」のフロントマスク

マスタング・マッハEには「GT」に加え、同車をベースにした「GTパフォーマンス・エディション」が設定されており、駆動方式は共に電気式4WDの「eAWD」を採用。

車両サイズは全長4,742mm、全幅1,882mm、全高1,613mm、ホイールベースが2,985mmの5人乗りで、車両前後にモーターが搭載されており、「GT」は前後のモーター合計で465ps/84.6kgmを発生。0-96km/h加速は3.8秒となっています。

フォード マスタング マッハE 「GTパフォーマンスエディション」のエクステリア

一方、「GTパフォーマンス・エディション」はモーターが強化されており、21ps/3kgmアップの486ps/87.6kgmを発生。0-96km/h加速は3.5秒となっています。

「eAWD」が前後アクスルにトルクを最適配分。トラクション性能や、雪道など滑りやすい路面でのコントロール性能が高められており、FRモデルよりも優れた加速性能とハンドリング性能を実現しています。

●満充電でのEPA認定航続距離は435km

蓄電容量を標準仕様の68kWhから88kWhに高められたリチウムイオンバッテリーは、衝撃吸収構造の防水バッテリーケースに収められ、両モデルの車両床下に配置。10分間で約100km走行できる急速充電に対応しています。

フォード マスタング マッハE 「GTパフォーマンスエディション」の充電口

今回EPAが認定した1充電当たりの最大航続距離は、GTが270マイル(435km)、GTパフォーマンス・エディションが260マイル(418km)となっており、フォードの開発目標値を約1割程度上回ったそうです。

フォード マスタング マッハE 「GTパフォーマンスエディション」のリヤビュー

エクステリアについては、クーペルックのSUVになっても「マスタング」としての記号性が明確に表現されており、迫力のあるフロントマスクや、縦3本の発光部を強調したテールランプなどに色濃く反映されています。

GTパフォーマンス・エディションには、ブレンボ製ブレーキや、ピレリ製サマータイヤ(245/45R20)、切削タイプの20インチアロイホイールなどを装備。快適な乗り心地と引き締まった走りを両立する磁性体を使ったダンパー「マグネライド・ダンピングシステム」を採用。

15.5インチの縦型センターディスプレイが目を惹くフォード マスタング「マッハE」の先進的なインテリア

インテリアでは、15.5インチの縦型センターディスプレイが印象的で、デジタルメーターパネルと相まって先進的なイメージを演出しています。

ボディカラーはサイバーオレンジメタリックやシャドウブラック、スターホワイトメタリックなど全8色を用意。

米国ではすでに「GT」および「GTパフォーマンス・エディション」の先行受注が開始されており、正式発売が今秋に予定されているようです。米国での車両価格は59,900ドル(約660万円)からの設定。

フォード マスタング「 マッハE」の均整がとれたサイドビュー

フォード車はEVで先行する米国や中国で人気が高いそうですが、日本では2016年1月以降、フォード・ジャパンが正規輸入を中止しており、現在は輸入販売や整備を請け負っているショップがいくつか存在している状況。

今回ご紹介したような魅力的なニューモデルの登場や、日本市場におけるSUV人気に伴い、フォード車の正規輸入再開が望まれます。

Avanti Yasunori

【関連リンク】

MUSTANG MACH-E GT
https://www.ford.com/suvs/mach-e/models/mach-e-gt/

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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