■「RSトルクスプリッター」搭載、制御されたドリフトを実行
アウディは現在、ハイパフォーマンスモデル「RS3 スポーツバック」、および「RS3 セダン」を開発していますが、その最新プロトタイプ、並びに最新情報を入手しました。
市販型パワートレインは、2.5リットル直列5気筒ターボチャージャーエンジンを搭載しますが、最高出力が欧州仕様の394hpに対し、米国仕様が401hpとわずかに米国仕様が高いことがわかりました。
これはアウディ米国部門の強い要望により、ドイツ部門により許可されたといいます。しかし、アウディ担当者は「増加はわずかであるため、パフォーマンスに明確な違いはない」と発表しています。
どちらの仕様も0-100km/h加速は3.8秒で到達、先代より0.3秒速く、AMG「A45 S」より0.1秒速いのです。また最高速度はオプション利用で290km/hと、同セグメントでは比類なき高速性能を持っています。
RS3新型のハイライトは、リアアスクルにあります。後輪間でアクティブな完全可変トルクベクタリングを提供するセットアップ「RSトルクスプリッター」を搭載、ドリフト走行も可能となります。
以前のモデルのリアディファレンシャル、およびマルチディスククラッチパッケージとは異なり、新しいRS トルクスプリッターは独自のコントロールユニットを備えた、各リアドライブシャフトに1つの電子制御マルチクラッチパックを備えています。その結果アンダーステアが少なくなり、安定性が向上、敏捷性が最大になります。
コーナリング中、システムはRSトルクリアモードで外側の後輪にトルクを送信、制御されたドリフトを実行できます。
ドライバーはアウディドライブセレクトを介してRSトルクスプリッターのセットアップを好みに合わせて構成可能で、快適性/効率性、自動、動的、RSパフォーマンス、および前述のRSトルクリアを含む5つの異なるモードから選択できるといいます。
394hpを発揮する5気筒ターボエンジンは5,600〜7,000rpmでピークを迎えます。新型では多くの機能を備えた7速デュアルクラッチトランスミッションと結合され、Launch Controlシステムを含む残りのドライブコンポーネントと通信、より短い時間でギアを変更し、「超高速スタート」を提供してくれます。
ボディはS3よりも10mm低く、A3よりも25mm低い位置にあるため、より硬いショックとスプリングに乗ることができます。フロントマクファーソンサスペンションは、RS3固有のピボットベアリング、より剛性の高い下部ウィッシュボーン、サブフレーム、およびスタビライザーを備え、リアアクスルは、新しいトルクスプリッターに適合したサブフレームとスタビライザーバーを備えた4リンクデザインとなります。
また強化ホイールキャリアもあり、顧客にはオプションとしてアダプティブショックを備えたRS Sport SuspensionPlusが提供されます。
そのほかのオプションでは、粘着性のあるピレリPゼロ「トロフェオR」タイヤのセット、RSダイナミックパッケージ(とくに最高速度180km/hのロック解除)、セラミックブレーキなどが用意されるといいます。
RS3市販型のワールドプレミアは、7月後半が濃厚となっています。