■抜群の爽快さ
後輪駆動で、MTで、オープンボディのスポーツカー。その条件でクルマ選びをしたボクがたどり着いたのは、マツダ「ロードスター」だった。
世界中に衝撃を与えた初代がデビューしたのは1989年で、もう30年も前のこと。いま新車で売っているモデルは4世代目で、型式名から「ND(エヌディー)」と呼ばれる。
乗ってみて意外だったのは、パワー不足を感じないことだ。エンジンは1.5Lの自然吸気(なんと先代よりも非力!)で、最高出力は132ps。数字だけ見ればなんてことはないし、実際に乗っても漲るような力強さがあるわけではない。
だけど、マニュアルミッションを駆使して限られたパワーを引き出しながら走る感覚は、買う前に想像していた以上の爽快さだ。
マツダは「人馬一体」というらしいけれど、クルマを一緒になって走りを楽しむような感覚は確かにある。
●女性にとっては…?
今どきのクルマとしては信じられないほど軽い、1トンちょっとの車両重量もロードスターを語る上では外せない。軽い車体を控えめなパワーを引き出しながら走らせることがこんなに楽しいなんて。
しかもロードスターは、屋根を開けて走るだけで普通のクルマとは違う楽しさを味わえる。クルマって屋根がないだけでここまで気分がよくなるとは。
「パワーのないスポーツカーになんて興味がない」という人もいるかもしれない。でも、ロードスターの楽しさを知ったら、そんなことは二度と言えなくなるんじゃないかな。
唯一気になるのは、彼女がオープンカーをどう思っているのかということ。
風の巻き込みを考えると、女性にとってオープンカーは快適とは言い難いはず。まあ、彼女を乗せているときはオープンにしなければいいんだけど。
実際のところはどうなのか、次のドライブの時に彼女に尋ねてみよう。(つづく)