ポルシェ911ファン待望の新型「911 GT3ツーリングパッケージ」の予約受注がスタート

■自動展開式リヤスポイラーを備え、4.0Lの水平対向6気筒エンジンは510PSを発生

2021年6月16日、ポルシェジャパンは新型「911 GT3ツーリングパッケージ」の予約受注をスタートしました。「911 GT3ツーリングパッケージ」は高性能を誇示せず、控えめな表現を好むユーザーに向けた仕様です。

「ツーリングパッケージ」という名称は、1973年モデルの911カレラRSに用意された仕様に遡ります。ポルシェでは、2017年に再びこのアイデアを復活させて、先代の911 GT3にツーリングパッケージを設定。ベース車の911 GT3は、4.0Lの水平対向6気筒NAエンジンを搭載し、500PS/460Nmを発生。

ポルシェ911 GT3ツーリングパッケージ
ポルシェ911に新型「GT3ツーリングパッケージ」が登場

今回の「911 GT3ツーリングパッケージ」は、510PSのハイパワーを誇り、絶大な人気を誇った先代の装備パッケージを付けて注文することができます。

重量はわずか1418kgで(ベースのGT3のPDKは1430kg)、6速MT(GTスポーツマニュアルギヤボックス)が標準装備されるほか、「ツーリングパッケージ」に初めて追加料金なしで7速PDK(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせることも可能です。

ポルシェ911 GT3ツーリングパッケージ
911 GT3から固定式リヤウイングが取り払われている

メカニズム面での特徴は、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションや高いエアロダイナミクス、「911 RSR GT」レーシングカーに由来するディフューザー、そして耐久レースでテスト済みの「911 GT3 R」ドライブユニットをベースにする375kW(510PS)の4.0Lの水平対向6気筒エンジンになります。

ベースの911 GT3との最大の違いは、固定式リヤウイングが取り払われている点。より控えめな印象を受ける自動展開式リヤスポイラーが、高速走行時に必要なダウンフォースを確保します。

また、サイドウインドウのハイグロスアルマイト製シルバーカラーのトリムストリップは、新型の控えめなエクステリアを引き立てています。フロントマスクは、ボディカラーと同色にフルペイントされています。

ポルシェ911 GT3ツーリングパッケージ
サイドウインドウにハイグロスアルマイト製シルバーカラーのトリムストリップを備える

サイドウインドウとスポーツエグゾーストシステム テールパイプのトリムストリップが、シルバーになるのも特徴。オプションの「エクステリアツーリングパッケージ」は、サテングロスブラック仕上げになり、さり気なく差別化が可能で、ヘッドライトモジュールはダークティンテッド仕上げになります。

高回転型のエンジンには「GT3 touring」のロゴ入り。

ポルシェ911 GT3ツーリングパッケージ
ポルシェ911 GT3ツーリングパッケージのインパネ

一方、ブラックのエクステンデッドレザーアイテムが使われたインテリアは、「911 GT3ツーリングパッケージ」専用になります。

さらに、ダッシュボード前部とドアトリムパネル上部セクションには、特殊エンボス加工が施されています。ステアリングホイールリム、ギヤ/セレクターレバー、センターコンソールカバー、ドアパネルアームレスト、ドアハンドルがブラックレザーで覆われるのも見どころです。

「パーシャルレザーインテリア」は、ブラックのステッチが特徴。シートセンターパネルは、ブラックファブリック仕上げになり、ルーフライナーもブラックになります。さらに、ドアエントリーガードとダッシュボード、センターコンソールのトリムエレメントは、ブラック・ブラッシュアルミニウム仕上げになります。また、ヘッドレストには、「ポルシェエンボス クレスト」が配置されます。

コクピットには、新機能のトラックスクリーンが装備され、スイッチを押すだけで中央レブカウンターの左右にあるデジタル表示が、タイヤ空気圧と油圧、油温と水温、燃料残量に関する重要情報に限定されます。

ステアリングホイールには、簡単にアクセスできるモードスイッチが備わり、ノーマルモード、カスタマイズ可能なスポーツモードとトラックモードの素早い切り替えが可能。

ポルシェ911 GT3ツーリングパッケージ
ヘッドレストに「ポルシェエンボス クレスト」を用意

この「ツーリングパッケージ」も911 GT3にあるほぼすべてのオプションが設定されています。エクステリアとホイールの全カラー、「ポルシェダイナミックライトシステム」と「ポルシェダイナミックライトシステム プラス」が組み込まれたLEDヘッドライトをはじめ、各種アシストシステム、「セラミックブレーキ(PCCB)」「フロントアクスルリフトシステム」、すべてのシートバージョン、「クロノパッケージ」、オーディオシステムなどを用意。

ボディには、ワイドボディや大径アルミホイールをはじめ、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製のボンネット、軽量ガラスウインドウ、軽合金製鍛造ホイール、軽量スポーツエグゾーストシステムなどが備わります。

さらに、ポルシェデザインによる特別なクロノグラフも提供されます。フライバック機能を備えたムーブメントが搭載されたこの時計のローターは、ホイールのデザインを想起させ、車両のコンフィギュレーションに応じて6つの異なるバージョンを用意。アゲートグレーメタリックのベゼルは、車両の塗装仕上げに準じています。さらに、文字盤はマットブラック仕上げになり、蛍光イエローのクロノグラフ針はレブカウンターのカラーと一致。

クロノグラフ911 GT3ツーリングパッケージ仕様には、「GT3」のエンボス加工が施されたポルシェ車レザー製ストラップが装着されています。ポルシェ車用の糸を使用したブラックのデコレーティブステッチが、ストラップに仕上げのタッチを加えています。

ポルシェ 911 GT3ツーリングパッケージ
専用ロゴマークが配置される

自社のスイス時計工場で製造されるこのクロノグラフは、「911 GT3ツーリングパッケージ」のオーナー専用クロノグラフになります。「911 GT3ツーリングパッケージ」の価格は、6速MT、7速PDKのいずれも2296万円。ハンドル位置も左右共に設定されています。

塚田 勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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