■多くのオゾンが存在する成層圏発見の日
1902(明治35)年6月8日、フランスの気象学者テスランド・ボールが成層圏を発見したことにちなんで「成層圏発見の日」が制定されました。成層圏は高度11~50kmの領域で、多くの「オゾン」が存在します。このオゾンは、太陽光の有害な紫外線を吸収するので、地球上の人間や生物を保護する重要な役目を担っています。旅客機は、通常高度約10km付近(対流圏と成層圏の境目に相当)を飛行します。これは、できるだけ高度を上げて空気抵抗を減らしつつ、上げ過ぎて空気の希薄化によってエンジン出力が低下しないよう、バランスの取れた高度を選んでいるのです。
また1985(昭和60)年のこの日、鳴門海峡を跨いで徳島県鳴門市と淡路島をつなぐ大鳴門橋が開通しました。1998年に神戸舞子と淡路島をつなぐ明石海峡大橋が完成して、大鳴門大橋は明石海峡大橋の一部となりました。
さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?
1984(昭和59)年の6月8日、トヨタから日本初のミッドシップスポーツカー「MR2」が発売されました。MR2は、ミッドシップエンジン・リアドライブ(MR)レイアウトを国内で初めて量産車に採用したモデルとして大きな注目を集めました。
MR方式は、車体中央にエンジンを搭載して後輪を駆動させる方式です。車体重心が中央近傍に設定できるので、ステアリング操作に対してレスポンスが良く、コーナリング特性が優れているのが最大の利点です。MR2は、コンパクトな2シーターのスポーツカーとしてスラントノーズにリトラクタブルヘッドライト、リアはハイデッキを採用。パワートレインは、カローラ搭載の1.5L SOHCおよび1.6L DOHCの4気筒エンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせですが、一部にスポーツカーとしてはパワー不足という意見もありました。これを受け、1986年にはスーパーチャージャーエンジンを追加設定し、さらに1989年の2代目では排気量を拡大して、より走行性能を重視したスポーティカーへと変貌させました。
初のミッドシップということで大きな話題を呼んだMR2でしたが、評判の割に販売は伸びませんでした。やはり実用性に課題のあるMRの採用は、何よりも走行性能を重視するレーシングカーやマニアックなスポーツカーに限られてしまいますね。しかし、その後のホンダ「ビート」、マツダ「オートザムAZ-1」、「S660」、「NSX」と続いたミッドシップモデルの道を切り拓いた歴史的なモデルであることは、疑いようもありません。
毎日が何かの記念日。それではまた明日!
(Mr.ソラン)