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■バイクには、規定の音量と音質の音を発するホーンを装備
●ホーンを鳴らしてよいのは、周囲に危険を知らせて危険を回避する場合のみ
ホーンは、音で周囲に自分の存在と危険を知らせる警音器です。むやみに鳴らすと周辺の人や他車の運転者が戸惑い、逆に危険な状態を作りかねません。鳴らす時には、道路交通法の使用基準を守らなければいけません。
どのような場合にホーンを鳴らすか、鳴らしてはいけないか、解説していきます。
●ホーン装着の保安基準
バイクには、保安基準によって周囲に危険を知らせるホーンの装備が義務付けられています。またその音量と音質は、次のように規定されています。
・音量は、87dB以上112dB以下(前方7mの位置での測定値)
音量が大き過ぎても小さすぎても違反です。動力が7kW以下の二輪自動車は83dB以上112dB以下という規定もあります。
また「警音器は、連続するものであり、かつ音の大きさ及び音量が一定なものであること」と規定されているので、以下のように作動中に音が変化するものは違反です。
・音が自動で断続
・音量や音色が自動で変化、音に余韻がある
・ライダーが音量や音色を変化させることができる
・サイレンや鐘の音など紛らわしい音色
●ホーンの使用ルール
ホーンは、音で周囲に危険を知らせる警音器であり、使用については道路交通法で規定されています。危険を回避するためにのみ使用が許可されており、「ありがとう」のサンキューホーンや邪魔だからといって警告のために鳴らしたりしてはいけません。クルマでもホーンに関わるトラブルはよくある話であり、注意が必要です。
鳴らしてよいのは、ホーンの標識のある場所や見通しの悪い場所で、自車の存在と危険を他のクルマやバイク、歩行者に知らせるのが主な目的です。
・見通しが悪い交差点
・見通しが悪い曲がり角や登り坂の頂点で道路標識で指定されている場所
・見通しの悪い山道やカーブが多い道路など道路標識で指定された場所
・危険を回避するためにやむを得ない場合
●ホーンをむやみに鳴らしたり、鳴らすべき時や場所で鳴らさなかった場合の罰則
危険を知らせる、回避するため以外にホーンを鳴らした場合には、以下の違反点数と違反金が科せられます。
・警音器吹鳴義務違反(鳴らすべき場面で鳴らさなかった場合)
違反点数1点、違反金6,000円(原付5,000円)
・警音器使用制限違反(鳴らしてはいけない場面で鳴らした場合)
違反点なし、違反金3,000円
●警音器使用制限違反の事例
ホーンをむやみに鳴らすと、本当に危険なときに区別がつかない、周辺や他の運転者に不快な思いをさせる、騒音公害になるといった問題が発生します。
危険を回避するためにやむを得ない場合は鳴らしてよいという規定があり、曖昧なケースもありますが、以下のような場合は違反です。
・信号機がない交差点で警笛を鳴らす標識がない場合、危険な場合を除いて鳴らすのは違反。
・横断歩道を渡ろうとしている人がいる場合に鳴らすのは違反、歩行者を優先させて一旦停止して歩行者が渡り終えてから通過しなければいけません。
・前のノロノロ運転するクルマやバイクにスピードを上げるようにホーンで催促する、あるいは信号待ちで発進を促すようなホーンは違反行為です。
・「サンキュー」ホーンや「挨拶ホーン」も、危険を回避とは全く関係ないので違反行為です。
一時期発生したクルマのホーンによるトラブルの影響か、最近はホーンの音を聞く機会は少なくなったように思います。それでもまだ本来の目的でなく、お礼や挨拶代わりにホーン鳴らすライダーが散見されます。このような使い方は、本来の正しい使い方でない、法令違反であることを認識しておかなければいけません。
(Mr.ソラン)