■ヤマハらしい「息づかいを感じるテクノロジー」を、さまざまな分野で展開
ヤマハ発動機は、クルマ向けの製品、技術のコンセプトブランドである「αlive(アライヴ)」を立ち上げ、2021年7月30日まで開催中の「人とくるまのテクノロジー展2021 ONLINE」において、新開発のサウンドデバイスを含む各種製品を出展しています。
「αlive」は、自動車メーカーなどに供給する自動車向け製品・技術のコンセプトブランドで、ヤマハらしい「息づかいを感じるテクノロジー」を提供価値として掲げています。
電動モーターユニット、パフォーマンスダンパー、ショックアブソーバーなどの既存製品に加え、新開発のサウンドデバイスなども含まれています。
1955年に日本楽器製造から分離、独立して設立されたヤマハ発動機は、創業後まもなく、二輪車と並行して四輪車に関する技術研究や開発に取り組み、オートモーティブ領域でも高性能、高品質な製品をリリース。クルマでいえば、パフォーマンスダンパーのように高性能であるのはもちろん、ユーザーの上質感や気持ちよさを感じさせる製品も送り出しています。
このコンセプトブランドである「αlive」では、豊富な実績を持つ自動車用エンジンの開発、生産技術をはじめ、蓄積されたさまざまなリソースを活かして、「CASE」というキーワードに集約されているように、大変革時代の要請に応えながら「五感を目覚めさせる新しいモビリティ体験」を実現する製品と技術をブランド化したもの、と位置づけています。
出展されるデバイスをチェックすると、新開発のサウンドデバイス「αlive AD」は、エモーショナルな走りとキャビンを演出するサウンドデバイス。音響LSIを内蔵したコントロールユニットと専用のスピーカーにより、パワートレインが発する原音と独自に開発した音源をチューニングして、ドライバーの心に響く魅力的なサウンドを提供するそうです。
長年にわたるエンジン開発の知見を活かして独自開発された音源は、エンジン車のランブル音(吸・排気干渉などの要因により発生するゴロゴロ、ドロドロといったノイズ )やEV独特の高周波までリアルに再現。
実際の走りでは、自然な駆動感を演出しながら、ドライバーに響くエモーショナルサウンドが追求されています。
エレクトリックエンジンの「αlive EE」には、50kW電動モーターユニットと350kW電動モーターユニットの2つがあります。
前者は、セグメントコンダクタが採用され、業界トップクラスの出力密度を達成した高出力・高効率な軽量電動モーターユニット。エンジン開発で培われた鋳造技術と熱マネジメント技術により、高い冷却性能を実現。
後者は、高出力帯モビリティへの搭載を想定した電動モーターユニット。ギヤとインバーターが一体化され、最大電圧800Vでの使用ができます。車両へ4基または、複数基搭載が想定されており、4輪トータルで最大1.47MW(約2,000PS)もの出力が発揮できるそう。
なお、ポルシェやアウディなどの欧州製ハイパフォーマンスEVは、すでに電池の電圧を800Vまで高めています。
パフォーマンスダンパーの「αlive PD」は、走行中のボディの変形と不快なノイズ、振動などを効果的に吸収。高次元で上質かつ快適な走りを実現するパフォーマンスダンパーで、剛性ではなく粘性減衰をボディに付加することで、操縦安定性と乗り心地の向上に貢献するそうです。
「αlive ET (Ex-TRAS)」は、ドライバーの意のままに安心できる操縦安定性、力まずに快適に運転できる乗り心地をコンセプトに開発中のショックアブソーバーです。
高圧ガスによるロッドの押し出し力が車体に与える影響に着目し、引き込み方向に力を発生させる逆転の発想で開発されているそうです。ヤマハのコンセプトブランド「αlive」によるデバイスをエンドユーザーとして享受できる日も近いかもしれません。
(塚田勝弘)
【関連リンク】
人とくるまのテクノロジー展サイト
http://expo.jsae.or.jp/
「αlive」ウェブサイト
https://global.yamaha-motor.com/jp/np/alive
「αlive」動画