■ゴルフからPHEV技術を流用、「シフトバイワイヤー」で車内の利便性が向上
フォルクスワーゲン(VW)は現在開発中の次世代マルチバン「T7」市販型の最新ティザーイメージを公開、2021年6月中旬に初公開されることがわかりました。
Tシリーズは「欧州のハイエース」的存在であり、1950年に初代から継承されている伝統的マルチバンです。現行型「T6」は2019年に「T6.1」へ改良、いよいよ次世代型「T7」へバトンタッチされます。
現在ティザーイメージや最新情報を絶えずリリースし、ティザーキャンペーンが展開されており、ついにそのフォルムも見せています。
次世代T7では、これまでのいくつかのモデルに触発された高度なデザインを備えています。たとえば、ボディを横切って走る水平のキャラクターラインは「T3」、フロントガラスの下のボンネットは「T4」を思い出させます。
市販型ではVWグループの「MQB」プラットフォームを採用、「ゴルフMk8」などVWの新しいモデルに似たフロントエンドを特徴としているMQBにより、ガソリンやディーゼルユニットはもちろん、プラグインハイブリッドなどさまざまなパワートレインと互換性をもつことになります。
PHEVには「ゴルフGTE」から技術を流用した、直列4気筒ガソリンエンジンと小型のモーターが組み合わされると予想されています。
注目は、ギアチェンジなどの操作を機械的なものから電子的なものへ置き換える「シフトバイワイヤー」技術の採用です。小さなスイッチはステアリングホイールの右側に配置され、低速での操作を容易にする鳥瞰図を備えた10インチのインフォテインメントシステムと同じレベルにあります。T7では、デュアルクラッチDSGギアボックスと、オートまたはボタンを押すだけで作動する電子ハンドブレーキのみ提供されることになります。
往来のギアレバーがないということは、フロントの2つのシート間に空きスペースがあることを意味します。つまり、フロントの乗員は停車中にすばやく後部へ移動、子供と接したり、クールボックスからドリンクを取り出すなどの動作が可能となります。
またコックピット内を移動する必要がない場合、多機能テーブルを後部から座席間のコンソールとして使用もできます。
VWバスの歴史を継承する新型マルチバン「T7」公開まで、いよいよ1ヵ月に迫りました。
(APOLLO)