■水銀温度計を発明したファーレンハイトの誕生日は「温度計の日」
5月14日は、「種痘記念日」です。1796(寛政5)年5月14日、英国のジェンナー医師が世界で初めて天然痘の接種に成功したことを受けて制定されました。天然痘は、致死率が50%に近く感染力が非常に強いウィルスとして不治の伝染症として恐れられていました。種痘(天然痘の予防接種)の登場によって死亡者が激減し、1979年WHO(世界保健機構)によって根絶が確認されました。コロナもワクチン接種がさらに加速することを祈るばかりです。
また「温度計の日」でもあります。水銀温度計を発明したドイツの物理学者ファーレンハイトの誕生日(1686年5月14日)にちなんで制定されました。ファーレンハイトが温度基準にしたのは華氏温度℉ですが、メートル法の切り換えにともない摂氏温度℃が世界的に使われるようになりました。
さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?
今から55年前の1966年(昭和41)年5月14日、富士重工(現、スバル)から小型乗用車「スバル1000」が発売されました。スバルの象徴的技術である水平対向エンジンを日本で始めて採用した記念すべきモデルです。
スバル1000は、軽自動車で成功した富士重工が、初めて市場に投入した小型乗用車です。モノコックボディにセミファーストバック風のフォルムでスポーティさをアピール。最大の注目は、国内初となる水平対向エンジンを搭載したことです。水平対向エンジンは、クランクシャフトに対してシリンダーを左右水平に配置し、左右に向かい合った一対のピストンが水平方向に往復するエンジンです。独特のピストンの動きから「ボクサーエンジン」とも呼ばれ、エンジン高が低く抑えられ低重心、低振動が大きなメリットです。ポルシェ911やVWのビートルが採用していることでも有名ですね。
さらに量産初のFF駆動方式や4輪独立サスペンション、インボードブレーキなど、水平対向エンジン以外にも多くの革新的な技術を採用していました。
スバル1000は、革新的な技術を満載して評価は高かったものの、セールス的にはトヨタカローラや日産サニーに遠く及びませんでした。しかし「スバル=水平対向エンジン」というスバルのブランドは、このモデルから始まったのです。
毎日が何かの記念日。それではまた明日!
(Mr.ソラン)