日産と三菱が資本提携。三菱伝統のオフロード性能を持つミニバン「デリカ・スペースギア」登場!【今日は何の日?5月12日】

■今日は、「戦場の天使」ナイチンゲールの誕生日

5月12日は、「ナイチンゲールデー」です。クリミア戦争で負傷した戦士たちを献身的に看護して「戦場の天使」と呼ばれた英国人看護師、フローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなんで制定されました。戦場での活躍が有名ですが、実は歴史に残る業績はその後です。統計学を生かして病院の衛生環境改善を進言したり、看護学校を設立するなど看護医療分野で大きな貢献したのでした。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

2016年日産・三菱資本提携
2016年日産・三菱資本提携

2016(平成28)年5月12日、日産自動車と三菱自動車が資本業務提携を結ぶことを発表しました。燃費不正問題で低迷していた三菱の株式34%を日産が取得して、三菱の筆頭株主になるという内容です。これによりルノー・日産・三菱の3社連合が出来上がりましたが、提携を推進したカルロス・ゴーン氏の不正が2018年に発覚します。金融商品取引法違反などで起訴され3社から追放、母国レバノンに逃亡しました。一時は連合崩壊の噂も流れましたが、現在は何とかこの騒動も収まっています。

また1994(平成6)年のこの日、三菱からデリカシリーズの4代目にあたる「デリカ・スペースギア」が発売されました。デリカは、初代から現在の5代目までの52年間堅調に人気を維持している三菱のロングランヒットモデルです。

1994年発売のデリカ・スペースギヤ
1994年発売のデリカ・スペースギヤ

初代「デリカ」は、キャブオーバーバン/トラックとして1968年にデビュー、1979年の2代目の跡を継いだ1986年の3代目は乗用車テイストと4WD性能が人気を呼んだ「デリカ・スターワゴン」、そして1994年に登場したのが4代目「デリカ・スペースギア」です。

1968年発売のデリカバン
1968年発売のデリカバン

スペースギアの最大の特長は、それまでのキャブオーバーからフロントエンジンレイアウトに変更して、エンジンを前席座席下からフロントボンネット内に移動したことです。これにより、スタイルも大幅に変わり、得られたメリットは前面衝突安全性の向上とフラットフロアです。3L V6エンジンや2.8Lディーゼルターボエンジンなど4種類のエンジンを揃えて力強い動力性能を、またパートタイム4WDによってミニバンとは思えない優れた悪路走破性を実現しました。当時RVブームはやや下火になり、一方でミニバンが人気になり始めた頃であり、スペースギアは両者を上手く融合した人気モデルになりました。

1986年発売のデリカ・スターワゴン
1986年発売のデリカ・スターワゴン

デリカシリーズは、三菱の中にあって長年堅調に人気を維持している貴重なモデルです。現在は乗用車ベースのミニバンが人気ですが、デリカが人気なのは4WDを装備した本格的なクロカン性能を持つ希少なミニバンだからでしょう。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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