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■空気圧不足やひび割れが原因となり路面の熱や衝撃で破裂する現象
●徐々に空気が抜けるパンクに対して、タイヤが突然破裂するバーストは非常に危険
走行中に突然タイヤが破裂するバーストは、クルマでも起こりますが、2輪のバイクの場合は転倒リスクがあるため非常に危険です。空気圧不足や劣化したタイヤを使用し続けるとバーストのリスクが高まるので、常日頃からのタイヤのチェックは大切です。
走行中に突然タイヤが破裂するバーストについて、解説していきます。
●パンクとは
バーストの前に、タイヤの身近なトラブルであるパンク(パンクチャー)について説明します。
パンクは、自転車では時々起こりますが、路上の釘など突起物がタイヤに突き刺さって空気が抜けていくトラブルです。通常は、空気が徐々に抜けていくのでそれほど危険ではありませんが、気付きにくいのでそのまま乗り続けるとタイヤとホイールを傷めてしまいます。
また空気圧が抜けるとハンドルがとられやすいので、気付いたら早く停車して修理キットがあれば応急処置しましょう。突き刺さった異物を抜くと一気に空気が抜けるので、修理キットがなければ修理業者を呼んだ方がタイヤとホイールを傷めずに済みます。異物でなく、劣化が原因のひび割れによるパンクは、応急処置が難しいのでタイヤ交換しかありません。
●バーストとは
バーストは、走行中に突然タイヤが破裂して一気に空気が抜け、走行不能となるので非常に危険です。
バーストの原因としては、次のようなことが考えられます。
・空気圧不足
空気圧不足の状態で高速走行すると、タイヤの表面が波状に変形する「スタンディングウェーブ現象」が起こります。これによりタイヤは路面との接触で摩擦熱を発生して、タイヤ内部の補強材が破損してバーストに至ります。
逆に空気圧が高すぎるのも、バーストの原因となります。路面温度が高い夏場に、摩擦熱の発生でさらにタイヤの空気が膨張して、表面のひびや傷などを起点にバーストが起こります。
・タイヤの摩耗と劣化
タイヤは、走行による摩耗だけでなく、紫外線や熱によって時間ととともに柔軟性がなくなり、硬化が進みます。特に表面が摩耗してひび割れが起こると、徐々に拡大していき内部の補強材が損傷して強度が下がり、バーストに至ります。
・過積載
積載量が多いと、重みでタイヤが変形してスタンディングウェーブのような現象が起こります。その結果、タイヤが熱を持って内部の補強材が損傷してバーストが起こります。ツルツルのタイヤで過積載をした古いトラックがバーストしたのを見たことがありますが、乗用車でも注意しなければいけません。
●バーストが発生したときの対処
走行中に突然バーストが起こったら、ハンドルを取られて操縦不能に陥ります。特に、フロントタイヤがバーストすると非常に危険です。無理して退避しようとハンドルを操作すると、バランスを崩して転倒します。
まずは、できるだけハンドルを切らずにまっすぐ進みながら、緩やかにブレーキをかけて減速し、周囲の安全を確認しながら路肩のような安全な場所に移動して停止します。完全に走行不能になるので、ロードサービスや整備業者を呼んで搬送してもらいます。
高速道路でバーストが発生すると、命に係わる大事故になる可能性がありますが、適切なメンテナンスを実施しているタイヤを履いていれば避けられるトラブルです。バイクの足元を支える、命を支えるタイヤの点検とメンテナンスを怠ると命取りになること、肝に銘じましょう。
(Mr.ソラン)