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■異音の発生は、足回り部品の何かに問題がある、寿命であることの警告
●足回りの異音で代表的なブレーキの鳴き音にもいろいろあり
足回りから発生する異音としては、ブレーキディスクやパッドの摩耗、変形による「キーキー」や「ガーガー」音、ホイールベアリングの摩耗による「ゴロゴロ」音などが一般的です。これらの足回りの異音は、構成部品の不具合や劣化状況の前兆です。
足回りから発生する異音の原因と症状について、解説していきます。
●足回りからの異音とは
バイクの足回りの異音といえば、ブレーキの鳴きが一般的ですが、ブレーキの鳴きにもブレーキパッドの傷や摩耗、ローターの歪みや傷など、原因もいろいろで、症状や異音の種類も異なります。また、ホイールと軸受けを連結させるボールベアリングの摩耗によっても異音が発生します。
異音は不具合の前兆であり、また、寿命がきたことを教えてくれるサインです。足回りの不具合は、事故に直結するので、早めに点検することが大切です。ブレーキについては、まずは目視チェックでローターとパッドの状態を確認し、原因が分からなければ整備業者に点検を依頼しましょう。
以下に、足回りの異音発生の原因と症状について説明します。
●ブレーキ系の異音
・ブレーキパッドの摩耗による「ガーガー」音
ブレーキパッドを交換せずに使い続けると、パッドがベースプレート部まで摩耗して金属同士が接触してしまい、「ガーガー」という異音が発生します。ブレーキの効きが悪くなり、さらにブレーキローターも傷つくので、パッドとローターの両方の交換が必要になります。
・ブレーキパッドの傷による「キーキー」音
ブレーキパッドの接地面が傷つくと、一般的にブレーキの鳴きと言われる「キーキー」という異音が発生します。パッドを新品に交換して表面が馴染んでいない場合も同様の鳴きが発生します。対応としては、ペーパーで接地面を斜めに交差させるように研磨して接地面を均等にします。
・ブレーキパッドの摩耗粉の焼き付きによる「キーキー」音
ブレーキパッドは、ブレーキをかけるたびに表面が消耗します。そのときの消耗粉がローターとパッドに焼き付くと「キーキー」と異音が発生します。対応としては、表面をペーパーで研磨して焼き付き粉を除去することが効果的です。最近は、これを避けるために、溝(スリット)付きのパッドが一般的になっています。
・ディスクローターの傷や歪みによる「シュッシュッ」「ジャージャー」音
ディスクローターに傷が入ると、パッドが均等に挟み込めないため異音が発生します。また歪みがあるとパッドとの接地が不均一になるため、「シュッシュッ」や「ジャージャー」という異音が発生することがあります。
●ホイールベアリングの摩耗による「ゴーゴー」「ゴロゴロ」音
ホイールベアリングは、内部のボールをペースト状のグリスで潤滑しますが、グリスが不足すると「ゴーゴー」「ゴロゴロ」といった異音が発生します。また異音だけでなく、内輪と外輪に隙間ができてハンドルがガタガタとブレることもあり、非常に危険です。
グリスは、潤滑オイルのように走行とともに消費し劣化するので、定期的に交換することが大切です。
ブレーキの分解整備ができるのは、資格を持った整備士のみです。ブレーキが鳴くからすぐに危険ということではありませんが、一過性の症状ではなく以降は徐々に悪化するので、早めに専門の整備業者に整備してもらうのが安心です。
(Mr.ソラン)