新生SUBARU BRZ R&D SPORTが0.15秒の僅差でGT300のポール獲得【SUPER GT 2021】

■予選Q1はA、B両組ともダンロップ勢が制す!

5月3日・4日に富士スピードウェイで開催の「2021 AUTOBACS SUPER GT Round2 たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」。

ドライバーやチームスタッフ、レースクイーンからメディア、オフィシャルスタッフ、政争の外部スタッフや警備員に至るまでPCR検査を実施したうえで2週間にわたって問診表を提出となるなど、かなり厳重な感染防止策を施しての開催となっています。そんなスーパーGT富士戦は500kmというレース距離で競われ、5月3日はその予選が開催されました。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

午前中に行われた公式練習走行でずば抜けた速さを見せていたのが61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。岡山戦の不調はみじんも感じさせない走りで予選の好ポジションを期待させます。

その練習走行で安定した走りを見せBRZを追っていたのはGAINERのGT-R2台。やはりストレートの長い富士では直線番長のGT-Rは速さを見せるのでしょうか?

埼玉トヨペットGB GR Supra GT
埼玉トヨペットGB GR Supra GT

そして始まった予選。タイムアタックでいきなり上位を狙ってきたのは今シーズン快調なGR SUPRA GT勢。52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTと244号車 たかのこの湯 GR Supra GTが1分36秒台に入れてきます。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

しかしSUBARU BRZ R&D SPORTはこれを一気に抜き去る35秒台、1分35秒963でQ1のA組トップ通過。続く2番手は0.2秒差で2号車 muta Racing Lotus MC。

SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

Q1のB組では60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの河野 駿佑選手が誰も追いつけないタイムの1分35秒727というQ1全体のベストタイムを記録してトップでQ2進出を決めます。

ARTA NSX GT3
ARTA NSX GT3

2番手は55号車 ARTA NSX GT3が入ります。

グッドスマイル 初音ミク AMG
グッドスマイル 初音ミク AMG

また、このところ予選でのタイムに伸び悩みを見せ、レース結果もそこに引きずられて低迷していた4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが久しぶりにQ2への進出を果たしました。

リアライズ日産自動車大学校 GT-R
リアライズ日産自動車大学校 GT-R

前戦の岡山で優勝したリアライズ日産自動車大学校 GT-Rはウェイトハンデを60kg搭載しての予選となり、あえなくQ1敗退となりました。

なおA組のSUBARU BRZ R&D SPORTとB組のSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTはともにダンロップユーザーで、少なくともQ1の時点の路面温度ではダンロップタイヤが有利にはたらいていたといえるのではないでしょうか。

■SUBARUのホンキが炸裂した予選Q2

Q1の各組から8台ずつ、計16台が進出したQ2。この16台のタイムアタックで上位のスターティンググリッドが決まります。

ARTA NSX GT3
ARTA NSX GT3

ここでいきなりQ1のトップタイムをぶち破り1分35秒台前半である1分35秒485を叩き出したARTA NSX GT3。

少ない残り時間でこのタイムを破ることは無理なのではないか?という空気が流れ始めるラスト1分を切ったころ、巧みなスリップストリームを駆使してチェッカーフラッグ直前に0.1秒を削って大逆転をしたのがSUBARU BRZ R&D SPORT!

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

1分35秒343で堂々のポールポジションを獲得です。ARTA NSX GT3は2位となり、また3位にはSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが入ります。

SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

スリップストリームなどの技を駆使して勝ち得たポールポジションは比較的小排気量なターボであるSUBARU BRZ R&D SPORTらしい戦い方だといえるでしょう。

喜び合うSUBARU BRZ R&D SPORTのドライバー
喜び合うSUBARU BRZ R&D SPORTのドライバー

500kmという長丁場なレースではあるものの、やはりポールポジションからのスタートはレースを有利に進めるには必要なポジションです。

SUBARU BRZ R&D SPORTのドライバーと監督
SUBARU BRZ R&D SPORTのドライバーと監督

ベース車両が今年発表の新型BRZという全くの新車として登場したマシンで初めてのポールポジションを獲得。またQ2を担当した山内選手は5度目のポールポジションとなります。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

予選という一発の速さを見せたSUBARU BRZ R&D SPORT。500kmという長丁場をいかに戦っていくのでしょうか?それとも思わぬライバルが登場するのか?決勝は4日の14時30分から110周で行われます。

(写真:松永和浩、吉見幸夫 文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
続きを見る
閉じる