■連合国の占領が終わった主権回復記念日
4月28日は、「主権回復記念日」です。1952(昭和27)年のこの日、「日本との平和条約(サンフランシスコ平和条約)」が発効され、米国をはじめとする連合諸国が日本の主権を承認しました。連合国による占領期が終わり、主権回復できた記念すべき日ということです。
また1954(昭和29)年のこの日、日本で初めて缶ジュースが明治製菓から発売されました。初めてのジュースはオレンジジュースで、これを機にジュースの容器がビンから缶へと急速に切り替わったのでした。
さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?
1964年(昭和39)年の4月28日、いすゞから日本で初めてGTの冠を付けた「ベレット1600GT」が発売されました。GTは、イタリア語の「グランツーリスモ(英語ではグランド・ツーリング)」の略称ですが、本来は”長距離のドライブを快適に走行できる動力性能と操縦性を持つ車”を指します。しかし、現在はハイパワーのエンジンを搭載したレースにも参戦できるような高性能かつ乗用車の居住性を兼ね備えたクルマを意味します。
そもそも”いすゞが乗用車を生産していたの?”という人がいるかもしれませんが、1960年代~1990年代初頭にかけては、「ベレット(1963年)」「117クーペ(1968年)」「ジェミニ(1974年)」「ピアッツァ(1981年)」といった数々の名車を世に送り出したメーカーだったのです。残念ながら、1993年に小型乗用車の製造から撤退して、現在のトラック・バスなど商用車専門メーカーとなりました。
話を戻しますと、初代ベレットは1963年に登場。丸型2灯ヘッドライトに、卵の殻をイメージさせる丸みを帯びたスマートなフォルムの2/4ドアセダンでした。そして翌年1964年に登場したのが、高性能バージョンの1600GTです。ボディは、前後のウィンドウ傾斜を強めて車高を下げた4人乗りの2ドアクーペに変更。エンジンは、ボアアップして排気量を1.6Lに拡大、圧縮比向上、SUツインキャブレターの採用などでパワーアップして、GTの名に恥じない走りを実現しました。
ベレット1600GTの後、1965年に日産「スカイライン2000GT」、1967年には「トヨタ2000GT」とGTの名車が登場、1969年ベレットもさらにパワーアップした「ベレットGTR」で対抗しました。しかし、当時のいすゞではトヨタと日産の生産力や販売力には太刀打ちできず、価格が高いこともあり販売台数は伸びませんでした。
個性的であればあるほどどうしても高価になってしまう、名車が必ずしも売れるとは限らないということですね。
毎日が何かの記念日。それではまた明日!
(Mr.ソラン)