ホンダが11代目シビックを北米で発表。史上初アメリカ生産となるハッチバックはどんな姿になる?【週刊クルマのミライ】

■人間中心のデザイン「MM思想」が11代目シビックのテーマ

●セダンはカナダで生産、2022年後半に登場するハッチバックの生産拠点も決定

2022 Honda Civic Sedan Touring
人間中心主義でデザインされたという11代目シビック。カナダ・アリストンにある工場で生産される

2021年4月28日、ホンダの伝統的モデルであり北米市場での主力モデルでもある「シビック」のフルモデルチェンジが発表されます。それに先立ち、アメリカで11代目となる新型シビックのオフィシャルフォトが公開されました。

一目でホンダの新型車と感じられるコンサバかつスポーティな顔つきで、ボディ側面に入れられたキャラクターラインも、現行アコードに通じる部分を感じるホンダらしいスタイリングです。

発表によれば、ホンダの伝統として「MM思想」と呼ばれる人間中心の設計思想を具現化したという新型シビック。MM思想とは「マン・マキシマム&メカ・ミニマム」のことで、パワートレインなどを収めるスペースを最小限に抑えるというのが特徴ですが、新型シビックのフォルムはロングノーズを強調しているように見えます。

これは大きなエンジンを積んでいるといよりは、衝突時の安全性につながるクラッシャブルゾーンを広く取っていることを表現していると理解すべきでしょうか。

気になるパワートレインについては、ヒントになりそうな情報さえ公開されていませんが、4月28日には、より詳細な情報が発表されるということで、非常に楽しみといえそうです。

2022 Honda Civic Prototype
2020年11月に発表されていたシビック・プロトタイプ。あらためて見比べると、ほぼ量産状態だったことがわかる

それにしても驚くのは、2020年11月に公開されていたプロトタイプとさほどイメージが変わっていないことです。スポーティさの表現といえる大径ホイールも、しっかりとプロトタイプから量産仕様へとつながっていると感じられます。

未公開のインテリアについても、スポーティとシンプルをキーワードに仕上げられているといいますから、おそらく内外装のビジュアル情報が出てくるであろう4月28日が楽しみになってきます。

そんなシビック セダンが北米のディーラーに並ぶのは2021年夏ということです。それに遅れること数ヵ月で、シビックの原点ともいえるハッチバックが登場することも今回アナウンスされました。

注目は、シビック ハッチバックが史上初めてアメリカで生産されることでしょう。

これまでシビック・ハッチバックを生産していたイギリスの工場を閉鎖したことから、どこが生産を担当するのか一部では話題となっていましたが、結論としてはインディアナにある工場でシビック・ハッチバックは生産されることも発表されました。ちなみに、新型シビック セダンについてはカナダ・アリストンの工場にて生産されるということです。

初代シビックタイプR
日本生まれの初代シビック・タイプR(EK9)。タイプRといえば、このフォルムを思い出すファンも多いのでは?

10代目シビックではハッチバックといいつつ、テールゲートがかなり斜めになったファストバック的シルエットを与えられています。新型シビックでも同様のスタイリングとするのでしょうか、それともシビックのルーツとなるオーソドックスなハッチバックスタイルを選ぶのでしょうか。

フロントセクションをセダンと共有するであろうことを考えると、10代目同様のシルエットになりそうですが、セダンの量産バージョンが公開されたいま、新型シビック ハッチバックのスタイリングも気になってきます。なにしろ、新型シビックにはタイプRも用意されるとアナウンスされています。

伝統を考えるとシビック タイプRはハッチバックボディを選ぶはずだからです。

自動車コラムニスト・山本晋也

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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