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■ユーザー自身が手続きを行い、バイクを陸運局に持ち込んで受審
●ディーラー車検に比べ、費用を抑えて1日で済ませられるのがメリット
車検は、バイクショップや整備工場に依頼する「ディーラー車検」が一般的ですが、ユーザー自らバイクを陸運局に持ち込んで車検を通す「ユーザー車検」があります。普段からバイクをいじっているようなユーザーなら、少し手間を掛ければ可能なレベルです。
自分ですべて実施して費用を抑えられるユーザー車検のやり方について、解説していきます。
●ユーザー車検の流れ
排気量250cc超のバイクは購入後の初回のみ3年、その後は2年ごとに車検を受けなければいけません。車検に合格しなければ、公道を走行することはできません。
ユーザー車検とは、自分で陸運局(運輸支局)にバイクを持ち込んで車検を受ける方法です。ディーラーや整備工場に依頼するディーラー車検に比べて、点検整備費用や手数料がかからないので費用が節約できます。
ユーザー車検のおおまかな流れは、次のようになります。
・事前準備:インターネットで予約して、バイクの事前チェック
・事務手続き:バイクの搬入と書類の準備
・検査:車検検査コースで、6つの検査項目について検査
・検査後:合格すれば、新しい車検証などを受け取る。問題が見つかれば不合格になり、修正後に再度検査を受け直します。
以下に、詳細な流れについて説明します。
●事前準備
ユーザー車検を受ける場合、国交省の「自動車検査インターネット予約システム」で予約します。
本番に臨む前に、最低限問題がないかチェックしておく必要があります。確実なのは、運輸支局に持ち込む前に民間の予備検査場で確認してもらうことです。予備検査場は運輸支局の近傍にあり、2000~3000円程度で車検のラインに近い設備で検査してくれます。
ここで通らないようだったら、本番も通らないので 修正する必要があります。
●事務手続き
ユーザー車検で必要な書類は、車検証と自賠責保険証明書、自動車納税証明書です。車検前に法定24ヶ月点検を実施済みの場合は、整備点検記録簿(整備手帳)も用意しておきます。
運輸支局の車検場では、継続審査申請書と自動車重量税納付書、自動車検査票を作成します。慣れてない場合は、事前に書類を自宅で記入して持っていくのが良いかもしれません。
●検査場での検査
車検検査コースで、次の8項目について検査されます。
・車検証記載内容との相違、外観確認
検査員が車検証と実車を見比べながら、基本的な仕様に間違いないか、違法な改造してないか確認します。
・灯火類の検査
ヘッドライトやブレーキランプ、ウィンカー、ホーンが正常に作動するかを確認
・排ガス、騒音の検査
排気口に排ガス計測装置、および騒音計測装置を設置して既定の条件下で基準値を満たしているかを確認
・スピードメーターの検査
検査ラインのローラーの上で速度を上げて40km/hに達したときに、メーター指示値がローラーの40km/hの回転と合致していれば合格
・ブレーキの検査
検査ラインのローラーの上で速度を上げ規定の速度に達したときに、ブレーキをかけて時間内に停止すれば合格(前輪と後輪の両方で実施)
・ヘッドライトの光軸・光量の検査
水平な状態でエンジンをかけて、ヘッドランプをロービームで点灯させ、光軸および光量が基準を満たせていれば合格
●検査後
審査員の判定によって合格すれば、新しい車検証などを受け取って無事終了です。
もし不合格になれば、修正後に再度検査を受け直します。1日3回まで無料で再検査できるので、修正内容が軽微であれば通常は1日で片付きます。
もし排ガス検査やスピードメーター検査で不合格になった場合は、自分で修正するのは難しいので、運輸支局の近くの整備工場で修正してもらうのが安心です。
日頃からバイクの点検や整備をしてある程度の知識のある人は、ユーザー車検に挑戦することをお薦めします。ただし何かあっても自己責任ですから、自分の腕に自信がない人は、ディーラー車検を受ける方が賢明です。
(Mr.ソラン)