最低地上高240mm超にリフトアップしたスバル・アウトバックが北米で登場。日本デビューに期待できる?

■ランドクルーザーも凌駕する最低地上高を誇るワイルド版は「荒野」という名前が与えられた

SUBARUのアメリカ法人が、北米専用車「Outback Wilderness(アウトバック ウィルダネス)」を発表しました。「ウィルダネス」とは直訳すると「荒野」という意味で、まさにワイルドな走りを予感させるスペシャル仕様を想像させるものです。

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北米専用車として登場した「Outback Wilderness(アウトバック ウィルダネス)」が発表された

ご存知のように「アウトバック」は、乗用車とSUVの長所を融合させたスバルのクロスオーバーSUVのフラッグシップモデルです。日本ではつい先日まで旧タイプが販売されていましたが、北米では2019年に現行モデルへとフルモデルチェンジを果たしています。

今回初公開された「アウトバック ウィルダネス」は、アウトバックが築き上げてきた本質的価値を示すというキャラクターはそのままに、アウトドアシーンで頼れる走破性と機能性をさらに強化した付加価値を高めたモデルといえます。

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アプローチアングルは20度(標準車は 18.6度)、ランプブレークオーバーアングルは21.2度(同19.4度)、デパーチャーアングルは23.6度(同21.7度)となっている

そのポイントは、最低地上高を9.5インチ(約24cm)へと上げるリフトアップ・サスペンションにあります。国産ではトヨタ・ランドクルーザーの225mmが最低地上高としては高いほうで、北米仕様のアウトバックも標準グレードでは8.7インチ(約22cm)となっていることを考えると、ウィルダネスの最低地上高はクロスカントリー4WDを凌ぐレベルといっても差し支えないでしょう。

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タイヤはヨコハマ・ジオランダーのオールテレーン17インチが与えられている。ホワイトレター仕様がオシャレだ

さらに専用サスペンションは、未舗装路での衝撃吸収や路面追従性も向上させるべく、バンプストロークを伸ばしています。オールテレーンタイヤを装着しているのもラフロードでの走りを期待させます。

最終減速比もトラクション性能を高める方向に改良され、砂利であっても最大斜度40%の坂を登るほどの走破性を誇るというのも注目でしょう。また岩場を走破するときにはタイヤが傷んでパンクしてしまうこともあるのですが、ウィルダネスにはフルサイズのスペアタイヤが搭載されているのも安心要素といえます。

そうして基本的なスペックを上げつつ、走りを磨く電子制御の進化も果たしているそうです。X-MODEも、DEEP SNOW/MUDモードの対応速度域を、約40km/hまで拡大しています。

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11.6インチの縦型ディスプレイを採用する

こうしてラフロードを強化した走りに合わせて外観もイメージチェンジしています。前後バンパーの意匠は専用となっていますし、フロントには本格的なスキッドプレートが備わります。フェンダー部分に備わるホイールアーチクラッディングもワイルドで大きくなっています。こうしたタフでラギッドなテイストも、ウィルダネスのキャラクターに合ったチョイスといえそうです。六角形のLEDフォグランプも、この仕様にだけ与えられる特別装備というわけです。

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エンジンは2.4Lターボ。北米仕様のスペックは260馬力/ 5600 rpm、最大トルクは 277 lb-ft/2000 rpm

ちなみに、北米仕様のアウトバックにはFA24型ボクサーターボが搭載されています。組み合わせられるトランスミッションは「リニアトロニック」と呼ばれるCVTの最新版(国内仕様のレヴォーグと同等スペック)となっているため、変速比幅が広く燃費性能でも有利な駆動系となっているのもポイントです。

日本ではアウトバックはすでに生産終了となっていて、新車で手に入れるには市中在庫を探すほかない状況ですが、北米ではこのようにSUVテイストを超えたクロスカントリーテイストのバリエーションが設定されているというのは、日本のスバリストからすると羨ましいというか、残念な気持ちになるかもしれません。

アメリカで発表されたアウトバック ウィルダネスについては、現時点では「北米専用」ということで、日本での発売については完全に未定。

とはいえ、いまやSUVを軸にラインナップを充実させているスバルですから、アウトバックもいつかは日本にも導入されることでしょう。そのときにウィルダネスという選択肢が用意されることを期待しましょう。

山本 晋也

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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