100周年記念車も登場! イタリア最古の2輪ブランド「モト・グッツィ」が伝統の「V7」新型を国内導入

■伝統の「縦置きVツイン」は850ccに排気量アップ

2021年で創立100周年を迎えたイタリア最古の2輪ブランドが「モト・グッツィ」。

その日本正規代理店であるピアッジオグループジャパンは、50年以上続く名車「V7」の新型モデル「V7ストーン」と「V7スペシャル」、そして100周年記念車「V7ストーン チェンテナリオ」を、3月17日より日本全国のモト・グッツィ正規販売店にて受注を開始することを発表。国内販売価格などが明かになりました。

イタリア最古の2輪ブランドのモト・グッツィ伝統の新型V7を国内導入
モト・グッツィ新型V7ストーン

●50年以上続くロングセラーモデル

モト・グッツィは、1921年にイタリアで設立された2輪メーカーで、現在は小粋なスクーター「ベスパ」でお馴染みピアッジオ社の傘下にあります。

V7は、モト・グッツィが50年以上もの歳月を生産してきた伝統のモデル。1967年に発売された初代モデル以来、究極のイタリア製バイクを象徴する代表的バイクとなり、その突出した個性やデザインなどが幅広い層から高い人気を集めています。

一旦はラインナップから外れたV7でしたが、2007年にクラシカルスタイルのネイキッドバイクとして復活、従来はV7IIやV7IIIといったローマ数字を入れたモデル名が付けられてきました。一方、今回発売される新型はナンバリングを廃止し、ビンテージ風のシャーシ構造やエンジンに至るまで、あらゆる視点からほぼ全面的に変更されています。

新型の変更点で、最も注目なのが新開発のエンジンです。初代から続く伝統の「OHV縦置きV型2気筒エンジン」は踏襲しながらも、排気量を先代モデルV7IIIの750ccに対し、853ccにアップ。

最高出力が25%増加し、従来の52ps/6200rpmから65ps/6800 rpmとパワーを増大させています。また、最大トルクも先代の60Nm(6.11kgf-m)/4250rpmから73Nm(7.13kgf-m)/5000rpmに向上。低回転域からスムーズに立ち上がり、極めて低い振動で素早く加速します。

イタリア最古の2輪ブランドのモト・グッツィ伝統の新型V7を国内導入
新開発の850cc・縦置きVツインを搭載

ほかにも、クランクケースの剛性アップや潤滑方式にはセミドライサンプを採用するなど、各部を見直すことで耐久性や信頼性などを向上させています。特に、2台の同軸ポンプ(1台はオイル供給用、もう1台はオイル回収用)を備えたセミドライサンプ方式は、優れた潤滑性を確保。外付けのオイルタンクが不要なこの方式により、クランクドライブとオイルの相互作用による摩擦によるパワーロスが少ない、オイルの最高温度が下がるなどのメリットを生みます。

エンジン以外でも、たとえば、ホールロックを防ぐコンチネンタル製2チャンネルシステムを採用したABSシステムを搭載。加速時にリアホイールのスピンを防ぐMGCT(モト・グッツィトラクションコントロール)システムなどの最新テクノロジーも採用。クラシカルなスタイルながら、数々の電子制御システムなどにより、安全性や安定性なども向上させています。

●ベーシックモデルのV7ストーン

新型V7には、2つのグレードが設定されています。まず、ベーシックでミニマルなバージョンのV7ストーン。このモデルは、モト・グッツィが近年培っている伝統を守るために、クロームパーツを使用していないのがポイントです。

代わりにマットブラックのダークな塗装を採用し、パッセンジャー用のグラブストラップ付き新型シートと組み合わせています。

イタリア最古の2輪ブランドのモト・グッツィ伝統の新型V7を国内導入
V7ストーンの新色アイスブルー(左)とラメオレンジ(右)

また、新型フルLEDヘッドライトには、モト・グッツィのエンブレムであるイーグルをかたどったDRL(デイタイム・ランニング・ライト)を装着。新型インストルメントパネルにも、同じくイーグルの形をしたデジタル式の丸型シングルメーターを装備しています。

さらに、ホイールはアルミニウム製6本スポークを採用し、サイドパネルには新デザインのロゴもあしらわれています。

ボディカラーは、先代でも採用されていたルビードブラックのほかに、サテン仕上げのアイスブルーとラメオレンジといった新色も設定されています。さらに、ブランド生誕100周年を記念した特別車として、チェンテナリオのグラフィックも追加。2021年にのみ生産されるスペシャルカラーで、グレーの燃料タンクとブラウンのシートに、サイドパネルとフロントマッドガードの見事なグリーンを組み合わせたマットなカラーリングが際立つ仕様となっています。

イタリア最古の2輪ブランドのモト・グッツィ伝統の新型V7を国内導入
100周年記念車のV7ストーン チェンテナリオ

価格(税込)は、V7ストーンが118万8000円、100周年記念車のV7ストーン チェンテナリオが123万2000円です。

●ビンテージ感溢れるV7スペシャル

一方、V7スペシャルは初代モデルの精神を受け継いだモデルで、多数のクロームパーツと鮮やかなグラフィックなどにより、クラシックかつエレガントさを演出しています。

シート下サイドパネルには、燃料タンクの色に合わせた配色のカラーストライプ、スポークホイールには光沢仕上げのリムとブラック塗装のハブを採用するなどで、個性的な製快感を演出します。

イタリア最古の2輪ブランドのモト・グッツィ伝統の新型V7を国内導入
モト・グッツィ新型V7スペシャル

また、アナログのインストルメントパネルは2眼メーターを採用し、クロームメッキのパッセンジャーグラブレールも標準装備されています。さらに、ヘッドランプにはクラシックなハロゲンタイプ、冷却フィンを機械で切削加工を施したシリンダーや専用のブラウンシートなどにより、ビンテージ感やオリジナル性を強調するディテールが施されています。

イタリア最古の2輪ブランドのモト・グッツィ伝統の新型V7を国内導入
V7スペシャルにはクラシカルな2連メーターなどを採用

ボディカラーはフォーマルブルー、カジュアルグレーの2色。価格(税込)は127万6000円です。

なお、これら新型V7は、2021年6月より順次出荷が開始される予定です。

(文:平塚 直樹/写真:ピアッジオグループジャパン)

【関連リンク】

モト・グッツィ ジャパン公式ウェブサイト
https://motoguzzi-japan.com/?id=prtimes

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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