打倒ハーレー!? 1.8Lボクサーツインを搭載した巨大ツアラーバイク「BMW R18クラシック」

■BMWが放つ「打倒ハーレー」の刺客?

BMWのバイクで代表的なキーワードといえば水平対向2気筒、通称「ボクサーエンジン」です。なんせ、BMWが1923年にバイクの生産を開始して以来、70年以上にわたり代表的モデルに搭載され続けている伝説的なエンジンだからです。

BMWでは、そんなボクサーツイン史上最大排気量1.8L(1802cc)の空冷2気筒エンジンを搭載した、ビンテージ風ツアラーバイク「R18クラシック」を2021年3月から発売することを発表しました。

巨大な排気量のエンジンはもちろんのこと、そのクラシカルなスタイルは、アメリカンバイクの代表格「ハーレーダビッドソン」をかなり意識したような仕上がり。ひょっとすると、ハーレーよりハーレーっぽい?

ここでは、BMWが放つまさに「打倒ハーレー」と呼べる新型バイクを紹介しましょう。

BMW史上最大1.8Lのボクサーツインを搭載した巨大ツアラーバイクR18クラシック
R18クラシックのフロントビュー

●伝説的バイクをオマージュ

R18クラシックは、BMWの伝説的バイク1936年製「R5」のスタイルをオマージュにリジッド風フレームなどを採用した「R18」の派生モデルです。2020年4月に発売されたR18は、BMW史上最大の1.8L空冷ボクサーツインを搭載、圧倒的な存在感とクラシカルなスタイルが話題を呼びました。

R18とR18クラシックの主な違いは、フロントホイールを19インチから16インチに変更し、フロント大型スクリーンやLED製ドライビングランプなどを追加していること。そのほかは、基本的にはR18の装備を踏襲しながらも、よりツアラー的な要素が盛り込まれています。

BMW史上最大1.8Lのボクサーツインを搭載した巨大ツアラーバイクR18クラシック
1.8Lの空冷ボクサーツインを搭載

最高出力91psを発生するエンジンは、2000〜4000rpmの回転域で常に150Nm以上のトルクが生まれ、非常にパワフルな走りを実現。また、伝説のモデルR5と同様に、テレスコピック・フォークのチューブはフォーク・スリーブ内に収納、フォーク・チューブには極太の直径49mmタイプを採用するなどで、クラシカルなスタイルながら迫力のフロントビューも実現しています。

ブレーキ・システムは、フロントにツイン・ディスク・ブレーキ、リヤにシングル・ディスク・ブレーキを装備し、いずれも4ピストン固定キャリパーを採用。ワイヤースポークの前後ホイールが、スタイリッシュな外観を演出しています。

●最新テクノロジーも満載

見た目はビンテージ風のR18クラシックですが、実は数々の最新テクノロジーも採用されています。

BMW史上最大1.8Lのボクサーツインを搭載した巨大ツアラーバイクR18クラシック
3つのライディングモードを装備

たとえば、ライダーの好みに合わせて設定可能な「Rain(レイン)」「Roll(ロール)」「Rock(ロック)」の3つのライディング・モードや、高レベルで走行安定性を確保するオートマチック・スタビリティ・コントロール(ASC)を標準装備。また、設定速度でアクセル操作なしで巡航できるクルーズ・コントロール機能、坂道発進を容易にするヒル・スタート・コントロールなどにより、より快適で、安全性なども高い走りを体感できます。

ほかにも、シフトペダルに「ミッドマウント・フットペグ」、上質なレザー製のサドルバッグなどを採用するなどで、アメリカンバイクのクラシカルなツアラー的ギミックが満載です。

このジャンルは、今までハーレーダビッドソンの独断場でしたが、このマシンの登場で、2輪ビッグツアラー市場に戦国時代が到来するかも!? ちなみに、価格(税込)も280万1000円〜326万2000円と超ビッグです。

(文:平塚 直樹/写真:ビー・エム・ダブリュー)

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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