■エスプレッソ、スイフト、ビターラブレッツァなどを生産
2020年3月に創立100周年を迎えたスズキ。先日、「中興の祖」ともいわれる鈴木 修会長の退任が発表されています。同会長の最大功績は、インド市場の開拓と言っていいはずで、インドでのマルチ・スズキのシェアは半数を超えており、JETROによると2019年度のシェアは51%といいます。
2021年3月1日、スズキは、マルチ・スズキが2021年2月27日に累計輸出台数200万台を達成したとアナウンスしました。南アフリカ向けの小型乗用車である「エスプレッソ」、世界戦略車である「スイフト」、コンパクトSUVの「ビターラブレッツァ」がグジャラート州のムンドラ港から出荷されたそうです。
マルチ・スズキは、1986年に近隣アジア向けにアルトをベースに排気量を800cc(796cc)まで拡大した「マルチ800」などの輸出をスタートさせ、翌1987年にはハンガリー向けの出荷を開始し、輸出を本格化しています。それ以来「アルト」、排気量1.0Lの小型車「A-Star」など多様なモデルを欧州、アジアなど世界各国に供給。輸出開始から26年をかけて2012年に累計100万台を達成しています。
さらに、2018年3月には、スズキの四輪車生産の100%子会社スズキ・モーター・グジャラート社で生産するモデルの輸出も開始され、累計100万台達成から9年での累計200万台達成となっています。
現在、マルチ・スズキ社は、2021年1月に輸出を開始した「ジムニー」をはじめ、日本でも発売されていた「バレーノ」「スイフト」、スイフトのセダンタイプである「ディザイア」など14のモデルを、100を超える国と地域に向けて輸出されていて、近年はアフリカ、中南米、中近東といった重点市場への輸出を加速させています。
スズキは、インドを海外市場向け製品の重要な生産、輸出拠点と位置付けていて、引き続きインドでの生産体制を強化するとしています。体制の強化により、グローバル市場への輸出促進を通じ、インド政府が推進する「Make in India」に貢献していくと表明しています。
(塚田 勝弘)