駐車が苦手な人も安心! ほぼ「自動駐車」ができる最新システム搭載の国産車

■いまどきの超便利な駐車支援システム搭載車

駐車が苦手な人って意外に多いんですよね。出先で初めて入れる駐車場ではもちろん、自宅でも駐車スペース前の道路が狭かったりすると、クルマをぶつけないように何度もハンドルを切り返す人も多いでしょう。

でも、最近のクルマには、任せておけばカンタンに、手早く駐車を支援してくれるモデルも数多く出てきています。中には「これってほぼ自動?」と思えるほど賢いシステムを搭載したクルマもあるほどです。ここでは、そんな最新の駐車支援システムを搭載した国産車を紹介しましょう。

●ヤリス「アドバンスト・パーク」

2020年2月に発売されて以来、大ヒットしているトヨタのコンパクトカー「ヤリス」には、「アドバンスト・パーク」という駐車支援システムが搭載されています(ハイブリッド車にオプション設定)。

ほぼ自動駐車ができる最新の駐車支援システム搭載車
トヨタ・ヤリス

この機能がすごいのは、白線などで区切られた駐車スペースでの駐車サポートはもちろん、「白線がない駐車スペース」での支援もしてくれることです(ちなみに世界初とのこと)。

白線がなくても、ヤリスに付いたメモリー機能により、自宅や職場などいつもクルマを停める場所を記憶させることで、駐車支援をしてくれる機能が付いているのです。

操作は、駐車したいスペース橫に停車後、モニター画面上に映った停めたい駐車位置を選んだ後、開始ボタンを押すだけ。クルマがハンドルとアクセル、ブレーキを自動制御しながら、とてもスムーズに駐車を完了してくれます。白線さえあれば、左右にクルマを停めるスペースがある並列駐車はもちろん、縦列駐車や縦列出庫にも対応します。

白線がないスペースの場合は、最初にその場所を登録する必要があります。ですが、次回からは画面上で選択するだけで、白線がある場所と同様にクルマが駐車の支援をしてくれます。いつも停める駐車場でも、道幅が狭いとか斜めになっているなどで、駐車が苦手という人には、とってもあり難いシステムです。

なお、システム作動中は、白線の有無に関係なく、ドライバーがハンドルやアクセルを操作すると動作はキャンセルされますが、ドライバーが自分でブレーキ操作で速度調整をしてもキャンセルされないようになっています。

また、駐車を支援する際は、カメラやソナーで周囲を監視し衝突被害軽減のサポートもします。クルマが動く対象物や細いポールなどを含む障害物を検知した場合には警報を鳴らし、ブレーキ制御を行うことで接触回避を支援する安全機能も備わっています。

●ホンダe「Hondaパーキングパイロット」

2020年10月にホンダが発売した新型電気自動車「ホンダe」には、上級グレードの「アドバンス」に「Hondaパーキングパイロット」という機能を採用しています。

ほぼ自動駐車ができる最新の駐車支援システム搭載車
ホンダの電気自動車ホンダe

4つのマルチビューカメラと12個のソナーを備えたホンダeは、駐車に関し6つのパターンに対応しています。まず、白線がある駐車スペースでは、マルチビューカメラで駐車枠を認識し、並列駐車や縦列駐車のほか、駐車枠が斜めに配置してある斜め駐車の支援をしてくれます。

さらに、駐車枠の白線がないところでは、ソナーが駐車空間を認識し、並列駐車と縦列駐車、縦列出庫が可能です。

操作はいずれも、ヤリスと同様にカンタンで、モニター画面上に映った駐車したいスペースを選択し、スタートボタンを押すだけ。クルマがハンドルやアクセル、ブレーキやシフト操作まで自動で制御し、スルスルと駐車を行ってくれます。

また、車庫からバックで出る際に、左右の見えにくい位置から他のクルマが近づいた時には、警報音とナビ下面上の矢印で注意喚起を促す「後退出庫サポート」も装備。駐車・出庫時に、壁などの障害物への接近を知らせる「パーキングセンサーシステム」も搭載するなど、駐車に関する様々な安全機能も盛りだくさんになっています。

●リーフ「プロパイロットパーキング」

日産の電気自動車「リーフ」には、「X」と「e+X」という2グレードに「プロパイロットパーキング」という駐車支援システムがオプション設定されています。

この機能は、3ステップのスイッチ操作で、ハンドル、アクセル、ブレーキ、シフト、さらにパーキングブレーキまで、すべてをシステムが自動で制御するというものです。

ほぼ自動駐車ができる最新の駐車支援システム搭載車
日産・リーフe+

操作は、まず駐車したいスペースの手前でスイッチを1回押し、ゆっくりと前進し駐車したい場所の真横にクルマを停車。駐車可能スペースをクルマが検知するとモニター画面上にPマークが表示されるので、確認して開始ボタンを押す。あとは、プロパイロットパーキングスイッチを駐車完了まで押し続けるだけ。

駐車終了後は、電動パーキングブレーキの作動とPレンジへのシフトチェンジもクルマが自動で行います。なお、途中でスイッチを離したり、ブレーキやハンドルを操作すると車両は停止するようになっています。

リーフの場合は、前向き駐車も自動でやってくれるのが特徴です。これは、電気自動車であるリーフは充電口がボンネット先端にあり、充電スポットに前向き駐車する場合も多いためです。

ほかにも、並列駐車や縦列駐車、何度も切り返しが必要な難しい場所など、様々な駐車シーンに対応しています。また、障害物があったり歩行者が接近すると、危険を察知しシステムが自動で制御し、クルマが停止するといった安全機能もしっかりと備わっています。

ちなみに、このシステムは、2021年中頃に発売が予定されているクロスオーバーSUVタイプの電気自動車「アリア」にも採用される予定です。

●タフト「スマートパノラマパーキングアシスト」

ダイハツが2020年6月に発売したSUVタイプの軽自動車「タフト」にも、「スマートパノラマパーキングアシスト」という駐車支援システムが採用されています(全グレードにオプション設定)。このシステムは、「タント」で初めて採用されたもので、ほかにもコンパクトSUVの「ロッキー」にも搭載されています。

ほぼ自動駐車ができる最新の駐車支援システム搭載車
ダイハツ・タフト

主な機能は、駐車時にカメラで駐車枠の白線を検知し、音声とモニターガイドに加えてハンドル操作をアシストするというもの。今回紹介するほかのシステムと異なるのは、アクセルやブレーキによる速度調整については、ドライバーが音声とモニター画面に出る案内に合わせて行う点です。

ただし、よくあるこの手の駐車支援システムでは、操作が複雑だったり、動作が遅すぎて後ろのクルマを待たせるということもありがち。その点、このシステムはカンタンな操作ででき、速度調整なども自分で行うため状況に応じ手早く駐車を完了できるのが魅力です。

実は、筆者も、都心などにある狭いスペースの時間貸し駐車場などへの駐車は、あまり好きじゃありません。次に買うクルマには、ぜひこういった駐車支援システムが搭載されているモデルを選びたいと思う日々でございます。

(文:平塚直樹/写真:トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、ダイハツ工業)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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