■流行りのSUVの中でも「別格に」眺めのいいディフェンダー
彼女をピックアップし、海へ向かうランドローバー・ディフェンダー。どうやら彼女は、助手席からの見晴らしのよさを気に入ったらしい。
「普通のクルマの風景と全然違うね。まわりがよく見える。」(彼女)
「でしょ。見晴らしがいいから、遠くまで見える。」(ボク)
昨今はSUVに乗る人が多いし、それより前からミニバンを選ぶ人も多かった。だから、セダンが乗用車の主流だった頃に比べると高い着座位置になれている人も多いはず。
だけど、ディフェンダーの視界の良さはちょっと別格だと思う。
なぜなら、今どきの一般的なSUVに比べると床も着座位置も高いから。昔ながらの「ヨンク」である。
理由はいうまでもなく悪路走破性を高めるためだけど、それはきっと彼女にとってはどうでもいいことだから、説明は割愛しよう。それより、この眺めの良さを彼女が気に入ってくれたらいいんだけど。
●大いに“アリ”!
「私ね、こういう背が高くてちょっとゴツいクルマが好きなんだよ。知らなかった?」(彼女)
「それは知らなかったな。でも、どうして?」(ボク)
彼女がSUV好きなんていうのは、まったく知らなかった。
「だって、アメリカのドラマを見ているとよく出てくるでしょ? 大きくて背の高いクルマが。ああいうクルマを乗りこなすオンナになったらカッコいいだろうな、っていう憧れ。」(彼女)
「なるほど。だったらこのディフェンダーも大いに“アリ”だね。」(ボク)
彼女の言いたいことはわかる気がする。いま乗っているディフェンダーはアメリカのクルマじゃなくてイギリスのクルマだけど、そこは大きな問題ではないだろう。
彼女がSUV好きだというのを知らなかったのは完全なるボクのリサーチ不足。でも、結果的に彼女が喜んでくれるならそれでよしとしよう。
「だから今日のドライブはね、アメリカのドラマの主人公になった気分で!」(彼女)
たから……アメリカじゃなくてイギリスなんだけど……、まあそんなことはどうでもいいか。彼女が喜んでくれるなら。(つづく)
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:牧野 澪菜/ヘア&メイク:牧 詠子/写真:ダン・アオキ)