ヴェイルサイドのR32・DRAGマシンは30年経った今なお激速かつエレガントだった!【東京オートサロン2021】

■R-I PRO DRAG【ヴェイルサイド】

新型コロナウイルスの感染拡大による影響のため、幕張メッセでの開催が中止となってしまった「東京オートサロン2021」。本来多くのカスタム・チューニングカーファンの前に展示されてる予定だった魅力的なクルマたちが、1月16~17日に富士スピードウェイに「オートサロンTV」の生放送で集結、その模様をお届けしています。

オートサロンというと毎回多くの来場者が注目するブースがいくつかあります。それが展示車か、オートサロンの華といえるキャンギャルなのかはそれぞれですが、Veilside(ヴェイルサイド)ブースは、そのどちらでも毎回多くの来場者の注目を集めています。

速さと美しさを兼ね備えるVeliside R-I PRO DRAG
R-Ⅰ PRO DRAGリヤビュー
R-Ⅰ PRO DRAGのリヤビュー

現在はYouTubeチャンネルで展開している「ビデオオプション(V-OPT)」の人気企画である「谷田部0-300km/h加速」をはじめとした、チューニングの本質であるハイパワーマシンがその性能をアクセル全開でテストする場に、ヴェイルサイドのチューニングカーがよく参加しています。

ヴェイルサイドのチューニングカー、クルマとしての絶対的な速さをとことん追求するだけなく、エクステリアやインテリアにも細部に至るまでにこだわりを持って作られていました。

今回紹介する『R-I PRO DRAG』もエレガントなチューニングカーです。

レーシング化によってマフラーが横出しに変更
STREETからPROとなってリアウィングがより大型に。

日産R32型スカイラインGT-Rをベースに作られたこの『R-I PRO DRAG』。車名のとおりDRAG、つまり1/4マイル(約400m)を1/1000秒でも速く駆け抜けるという目的で生み出されました。このクルマ、元々はナンバー付きのストリートカー『R-I STREET DRAG』としてV-OPTにて紹介されています。

当時でも驚異の1280馬力を発揮するRB26DETT改とシーケンシャルミッションで、一直線での0-300km/h加速で谷田部レコードとなる13秒フラットを記録しました。

その後、ビッグパワーだけではなくしなやかな足まわりなど、非常に高いトータルバランスがないと結果が出ないバンクでの0-300km/h加速に挑戦しました。当時レコードタイムを持っていたのがHKSが製作したR33GT-Rベースの『T-002』が記録した「17.67秒」。パワー的にもこの記録を塗り替える可能性は高いと期待されていました。

谷田部0-300km/h挑戦時の仕様は2.7Lに排気量アップ、HKS GT3070S x2 で1280psを発生
アメリカでのドラッグレース挑戦の為、シフトをシーケンシャルから圧縮空気でより素早いシフトチェンジを可能にするエアシフターに変更。

しかし、パワステの問題で300km/hまで踏み切れず。残念ながら記録更新とはなりませんでした。

その後、舞台をDRAGレースの本場であるアメリカに変え、パワーアップとDRAGスリックタイヤに履き替えてチャレンジをしました。8秒48を記録し、更に上を目指しましたがミッションが壊れてしまいました。

ギアシフトの横にある銀色の棒は前後の駆動配分を変えるもの。
0-400mの速さを追求するマシンにもかかわらずシートはとても座り心地は良さそう

今回展示されたマシンはその当時のままで持ち込まれました。

かつてまだFISCOと呼ばれていた富士スピードウェイで開催されていたRRC DRAGレースのようなイベントで、矢のように駆け抜ける姿を見てみたいですね。


●出展者名:株式会社ヴェイルサイド/出展車両名:Veilside R-I PRO DRAG/ベース車両:日産スカイラインGT-R/装着パーツなど:レース用マフラー、HKS RB26DETT 2.7Lキット、HKS製GT3037Sタービン、AP RACING製ブレーキキャリパー、グッドイヤーイーグル ドラックスリックタイヤ、Veilside R32 GT-R BNR32 RI STREET DRAG MODELエアロキット(フロントバンパー、サイドスカート、リアバンパースポイラー、カーボンフード)、ワンオフカーボンリアウィング

(文・写真:栗原 淳)