RS PANTERAのFC3S サバンナRX-7はノーマル外観にこだわった通勤もこなす約480馬力!【東京オートサロン2021】

■FC3SサバンナRX-7【RS PANTERA】

一見ノーマルに見えるこのFC3SサバンナRX-7。実はかなり手の込んだカスタムが施されています。

RS PANTERAのFC3S
RS PANTERAのFC3S
RS PANTERAのFC3S
RS PANTERAのFC3S

それもかなりのチューニングカーをわざわざノーマルっぽく仕上げるためのカスタムが施されているのです。

FD3S用の13Bロータリーに!
FD3S用の13Bロータリーに載せ替え

このFC3Sはチューニングされたロータリーエンジンを搭載していることは想像に難くありませんが、この13BロータリーはなんとFD3S用。同じ型番のエンジンであっても元々搭載されていたクルマが違えば配管やロッド、ベルト類の取り回しも全く違い、タービンの位置などもかなりの試行錯誤があったとのこと。

なぜFD3S用のロータリーエンジンを使うのかと言えば、ハウジングに開いているポートのサイズがかなり大きいことで、FC3S用に比べて対応できるパワーアップの幅が大きいことが理由のようです。FC3S用でFD3S用と同じポートサイズまで切削により拡げようとすると、水冷のウォーターラインなどに干渉してしまい、拡げるだけでかなりの大作業になってしまうそうです。

ボンネットは冷却性も考慮したFRP
ボンネットは冷却性も考慮したFRP

そしてこのロータリーエンジンは480馬力ほどの出力を得ているようで、発生する熱量もかなりのもの。ラジエターやインタークーラーの熱を逃がすように最適形状となったボンネットはFRP製となっています。

RS PANTERAのFC3S
RS PANTERAのFC3S

ここからがオーナーさんのこだわり部分なのですが、このハイチューニングマシンでサーキット走行を楽しみながら通勤にも使うため、チューニングカー然とした外観は避けたいとのこと。

そのためボンネットも大げさにNASAダクトがついたりということは無く、極めてノーマルに近いラインで造形されています。

RS PANTERAのFC3S
RS PANTERAのFC3Sは下げ過ぎない最適の最低地上高を模索
RS PANTERAのFC3S
RS PANTERAのFC3Sのマフラー

ノーマルっぽさの追求は車高にも表れていて、このロータリーパワーを受け止めながらコーナリングを楽しむことが出来る性能を与え、なおかつ車高を下げ過ぎないという相反する条件をクリアするようなサスセッティングを模索。

マフラーも最低地上高を下げ過ぎないような形状と取り回し、そして抜けをよくしながらも音量を上げないという点に苦心したワンオフ製作となっています。

●ノーマルっぽさの神髄はタイヤとフェンダー

ボンネットをノーマルっぽく作り込み、車高も下げ過ぎないサスセットを組んでいても、ハイパワーチューニング車はそのパワーを路面に伝えるためにタイヤが太くなります。

RS PANTERAのFC3S
RS PANTERAのFC3S

しかし、このFC3Sはオーバーフェンダーを装着せずにノーマルのラインを尊重しながら12~13mmほどを丁寧に叩き出したフェンダーとなっています。

RS PANTERAのFC3S
RS PANTERAのFC3SのブレーキローターとキャリパーはFD3S用

また、パワーが上がった分、ブレーキも強化。FD3Sのサイズにアップされた17インチ用ローターとブレンボキャリパーが装着されていますが、これを組んだうえできっちりとタイヤがフェンダー内に収まるようにハブなども作り込んでいるようです。

RS PANTERAのFC3S
RS PANTERAのFC3S

外見の派手さを一切排除したオーナーさんのこだわりで、長い時間をかけて熟成された一台となっています。

(松永 和浩)

●RS PANTERA FC3S
出展者:RS PANTERA 有限会社サトウショウカイ
車両型式:FC3S
エンジン型式:13B-REW
最高出力:485ps/7340rpm
最大トルク:62.4kgm/5900rpm
チューニング内容&使用パーツ:FD3SハウジングNeoサイドポート/ワンオフマフラー/HKS鋳造EXマニホールド/FC3S純正ミッション/OSツインクラッチ/マツダスピードデフ/RE雨宮エアロキット/マツダ純正ボディカラー(赤)/ERCボンネット加工/レカロシート/MOMOステアリング/デフィメーター/アラゴスタ改サスキット/RS PANTERAブレーキ/エンケイホイール

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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