日本一売れているN-BOX。オーナーの64.5%が「次も買いたい」と思う理由とは?【週刊クルマのミライ】

■N-BOXユーザー・500名にアンケート調査。他車オーナーの回答と比較すると満足度が明らかに高い

2020年通年での新車販売台数は19万5984台。前年の25万3500台には届かなかったものの、コロナ禍にあっても「日本一選ばれているクルマ」の座を守ったのがホンダN-BOXです。

新車販売台数トップとなるのは、軽自動車カテゴリーでは6年連続、登録車を含めても4年連続という圧倒的な人気モデルです。

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2020年には19万5984台を販売、 軽自動車としては6年連続、登録車を含めても4年連続で「日本一売れているクルマ」となったN-BOX。その理由には、高いユーザー満足度があった

そんなN-BOXの人気の秘密はどこにあるのか、ホンダ自身がN-BOXオーナー500名と他車オーナー500名の計1000名のアンケート調査をインターネットを利用して実施しています。

そしてその結果を見ると、他車よりもN-BOXがオーナーに愛されていることが明確になりました。

結論を書いてしまうと、N-BOXはリピーターを多く生み出すほどの満足度の高さがあり、それが圧倒的な人気につながっていることが数字で明らかとなりました。

具体的には『次に買い換える時はどうするか』という質問に対して、N-BOX ユーザーの64.5%が「同じ車種を買いたい」と答えています。他車オーナーに同様の質問をしたときの回答は54.4%となっていることを考えると、明確な差があります。それだけN-BOXの満足度が高いというわけです。

一般論ですが、軽自動車ユーザーというのはブランドロイヤリティが高いオーナーが少ないといわれています。特定メーカーや車種にこだわるよりも、いろいろなメーカーに乗ってみたいと考えるといいます。とくに様々な事情から軽自動車であることを条件として、その中で選択するユーザーにそうした傾向が強い印象があります。

ですからN-BOX以外の軽自動車オーナーは半数近くが他車に乗り換えるという未来をイメージしているのは決して不思議なことではありません。むしろ3人に2人が「次もN-BOXを買いたい」と答えたことが異例といえます。それだけN-BOXに満足していることを示しています。

具体的にどのような項目においてN-BOXの満足度は高いのでしょうか。

今回のアンケート調査では、車内空間の快適性、運転のしやすさ、視界の良さ、乗り降りのしやすさ、乗り心地、走行性能、燃費、荷室の使い勝手などなど多くの項目で満足度を調査していますが、N-BOXが他車オーナーの回答に対して劣っていたのは「価格」に関する項目だけで、それ以外の項目では軒並み高い結果を示しています。

とくに差が大きかったのは、車内空間の快適性:97.0ポイント(他車オーナーの平均は88.0ポイント)、安全装備の充実:94.4%(同83.8ポイント、運転のしやすさ:95.4ポイント(同89.8ポイント)、乗り心地:93.4ポイント(同87.4ポイント)といったところでしょうか。いわゆる自動車に対して期待する性能においてまんべんなく高い満足度になっていることがわかります。

特に注目なのは安全装備の充実でしょう。ADAS(先進運転支援システム)の機能を細かく見るとライバルが優位に立っている部分もありますが、ライバルモデルではグレードによる差があることがほとんどです。一方で、先進安全装備のパッケージである「ホンダセンシング」が全車に標準装備となるのはN-BOXの優位性といえますし、どのグレードを選んでもADAS機能に差がないというのは、信頼感にもつながっていると考えられます。

そして、興味深いのはN-BOXオーナーの多くが、購入時に価格を重視する傾向が若干ですが低い点です。実際、アンケート結果をみても購入時に価格を考慮したユーザーは他車オーナーが94.2ポイントなのに対して、N-BOXオーナーでは91.2ポイントとなっていました。「多少高くてもいいものが欲しい」というマインドがN-BOXを選ばせているという風に考えることができます。

さらに、このアンケートではコロナ禍における”ニューノーマル”と呼ばれる新しい生活様式におけるマイカー満足度や重視する点についても質問しています。

他者との接触を減らすために公共交通機関よりマイカーを使いたいというユーザー心理において、車内空間の快適性や長距離運転時の快適性がこれまで以上に重視されることになりますから、この設問は重要度が高いといえます。

そうした項目においてもN-BOXオーナーの満足度は他車オーナーより高いのですが、中でも注目したいのが「長距離運転時の同乗者の快適性」という項目においてN-BOXオーナーの満足度が79.0ポイントと他車オーナーの65.8ポイントに対して大きくリードしている点でしょう。

オーナーとして日々使っているからこそ同乗者の満足度を実感できるのでしょう。こうした感想は自動車評論家やモータージャーナリストなどの試乗ではなかなか見えてこない、N-BOX人気の秘密を知る上では無視できない貴重な生の声といえそうです。

(自動車コラムニスト・山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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