まだまだあったMT車! 新車でマニュアル車が選べる国産SUV6選

■トヨタやマツダが積極的に設定

最近の国産車はAT車(オートマチック・トランスミッション)が全盛ですが、中には新型車にあえてMT(マニュアル・トランスミッション)車を設定しているモデルもあります。

特に最近のマツダやトヨタにその傾向が強く、しかも近年根強い人気を誇っているSUVにもマニュアル車が設定されているモデルがあります。ここでは、そんな操る楽しさが味わえるMT仕様があり、新車で購入ができるSUVモデルを紹介しましょう。

●マツダ・CX-3/CX-30/CX-5

クーペをイメージさせる流麗なボディや余裕の室内などが人気のクロスオーバーSUV。特にマツダでは、2012年に発売した「CX-5」の大ヒットにより、近年SUVのラインアップを続々と増やしています。

現在、マツダは、CX-5に加え、より小型の「CX-3」、それらの中間サイズ「CX-30」、最も大型でマツダSUVのフラッグシップともいえる「CX-8」、それに2020年7月に発売されたハイブリッドモデルの「MX-30」といった5タイプを販売。これらのうち、CX-3、CX-30、CX-5にはMT車の設定があります。

新車でマニュアル車が選べる国産SUV6選
マツダ・CX-5

まずはCX-5。ラインナップには2020年12月の商品改良で最高出力が190psから200psにアップした2.2Lディーゼルの「SKYACTIV-D 2.2」搭載車をはじめ、2.0Lガソリンの「SKYACTIV-G 2.0」搭載車、2.5Lガソリンの「SKYACTIV-G 2.5」搭載車、2.5Lガソリンターボの「SKYACTIV-G 2.5T」搭載車があります。

それらのうち、マニュアル車の設定があるのは「SKYACTIV-D 2.2」搭載車で、一部グレードの2WDと4WDの両方に6速MTを用意しています。

やはり2020年12月に改良モデルが発表されたCX-30では、1.8Lディーゼル「SKYACTIV-D 1.8」の最高出力を116psから130psに向上させた新型が2020年12月17日から発売されています。

新車でマニュアル車が選べる国産SUV6選
マツダ・CX-30

2.0Lガソリン車では、独自技術の「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」の燃焼制御を最適化することで、ほぼ全てのエンジン回転域でトルクと出力を向上した新開発の「e-SKYACTIV X」搭載車が2021年1月に発売予定。ラインアップには、ほかにも従来から設定がある2.0Lガソリンの「SKYACTIV-G 2.0」搭載車もあります。

これらのうち、マニュアル車の設定があるのは「SKYACTIV-G 2.0」搭載車と「e-SKYACTIV X」搭載車。いずれも6速MTが搭載されています。

CX-3のライアップには、1.5Lガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 1.5」搭載車、2.0Lガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 2.0」搭載車、1.8Lディーゼルエンジンの「SKYACTIV-D 1.8」搭載車といった3タイプがあります。

新車でマニュアル車が選べる国産SUV6選
マツダ・CX-3

そのうち、1.8Lディーゼル車のXDと安全装備を充実させたXD PROACTIVE S Packageといった2つのグレードで、2WD(FF)と4WDの両方に6速MT車を設定しています。

価格(税込)は、CX-5が267万8500円〜414万1500円。CX-30が価格(税込)は239万2500円〜371万3600円。CX-3は189万2000円〜316万2800円です。

●トヨタ・C-HR

トヨタのコンパクトSUV「C-HR」。

新車でマニュアル車が選べる国産SUV6選
トヨタ・C-HR

2020年8月には、予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」のアップデートが行われ、検知対象に歩行者(夜間)や自転車運転者(昼間)、そして交差点右折時に直進してくる対向車および、右左折時に対向方向から横断してくる歩行者も加えたプリクラッシュセーフティを搭載。

また、自車線内の歩行者と衝突する可能性が高い時で、回避するスペースが十分あるとシステムが判断した場合に、ドライバーの回避操舵をアシストする「緊急時操舵支援機能」が追加されるなど、より安全性能が充実しました。

そのC-HRには、1.8Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車と、1.2L直列4気筒ターボエンジン車をラインナップしています(いずれも2WDと4WDを用意)。そのうち、ガソリン車の2WD(FF)モデル、G-T、S-T、それに高性能仕様のGRスポーツといった全グレードにMT仕様があります。

いずれのグレードにも、トヨタ独自の6速iMT(インテリジェント・マニュアル・トランスミッション)を採用。これは、発進時や変速時などにシフト操作を行った際、状況に応じた最適なエンジン回転数を検知して自動で合わせてくれるというもの。マニュアル車に慣れない人でも、スムーズな走りができる優れモノの機能です。

C-HRの価格(税込)は、238万2000円〜301万3000円です。

●スズキ・ジムニー/ジムニーシエラ

本格的なオフロード性能などで、1970年発売の初代モデル以来、高い人気を誇っているスズキの4WD軽自動車「ジムニー」と、その兄弟車で5ナンバーサイズの普通車「ジムニーシエラ」にもマニュアル車の設定があります(現行モデルは2018年発売の4代目)。

新車でマニュアル車が選べる国産SUV6選
スズキ・ジムニー

設定されているのは、いずれも5速MT仕様。組み合わされるエンジンはジムニーが最高出力64psを発揮する0.66L直列3気筒インタークーラーターボで、ジムニーシエラには102psを発揮する1.5L直列4気筒エンジンを搭載。

エンジンを縦置きに配したFRレイアウトや、機械式副変速機付きパートタイム4WDなどの採用で、優れた悪路走破性を実現します。

また、マニュアル車に搭載されている5速MTは、ダイレクト感あふれる軽快なシフトフィールにより、思いのままのスポーティーな走りを実現。振動や抵抗も少なく、燃費性能の向上にも貢献します。

ラインナップには、ほかにも4速AT車も用意。価格(税込)は、ジムニーが148万5000円〜187万5500円、ジムニーシエラが179万3000円〜205万7000円です。

(文:平塚直樹/写真:トヨタ自動車、マツダ、スズキ)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
続きを見る
閉じる