■オプションでウイルス撃退フィルターも用意!
ホンダの軽自動車「N-BOXシリーズ」は2011年の発売以来、累計販売台数180万台を達成。登録車を含む新車販売台数において3年連続、軽自動車の新車販売台数では5年連続でトップというまさに王者と言える存在です。
現行N-BOXは2017年にデビューした2代目で、今回初めてのマイナーチェンジを迎えました。事前に行われた説明会で開発主査の宮本渉氏は、N-BOXの強みをさらに伸ばすため、満足度が高い内外装のデザインを採用するとともに、安全性をさらに高め“これでいい”から“これがいい”に進化させると語りました。
N-BOXには、標準タイプとなるN-BOXとスポーティモデルのN-BOXカスタムが存在します。
標準タイプのN-BOXのエクステリア面での変更は、“シンプルさと機能性を追求”するためにヘッドライトエクステンションの表面処理を変更し、大きな瞳でより親しみやすいヘッドライトに変更されています。
N-BOXカスタムでは“存在感と高級感を高める”ため、アッパーグリルはメッキを強くし立体感を強調し、全体として精緻なイメージを残しつつ顔の押し出し感を強化、グリルはメッキ部分の重心位置を下げることで端正で落ち着いた雰囲気を向上しています。また、ロアグリルにメッキバーを追加して、充実感を演出し車体を大きく見せるためにグリルまわりをワイド化しています。従来のナンバープレートは助手席側にオフセットされていましたが、カスタムはセンター配置となりました。
N-BOXのボディカラーは7色が継続、1色が追加された全8色となりました。プレミアムアイボリーパールII、・ブリリアントスポーティブルー・メタリック、モーニングミストブルー・メタリックの3色は廃止となっています。
N-BOXカスタムのボディカラーは5色が継続、1色が新規の全6色となり、ブリリアントスポーティブルー・メタリックは廃止となりました。
標準タイプのN-BOXのインテリアでは、6時部分のステアリングスポークの加飾をインパネまわりとコーディネートしたホワイト加飾に変更したうえで、シートバックテーブルを標準装備しました。N-BOXカスタムのインテリアはインパネ、ドアの一部パネル、6時部分のステアリングスポークをマルチブラック加飾に変更。シートにはガンメタアクセントを入れ、N-BOX同様にシートバックテーブルが標準化されました。
従来はルーフとドアミラーの色を変更できるだけだった2トーンボディのコーディネートスタイルは、グリル、ホイール、インテリアを含み全体でコーディネートが可能となりました。コーディネートスタイルはN-BOX、N-BOXカスタムともに3タイプが用意されます。
N-BOX・コーディネートスタイルとした場合はサイドドアハンドルがメッキとなるほか、ホイールが14インチのスチール&ホイールスピンナー風カバーとなります。インテリアではドアとインパネの加飾、ステアリングスポーク6時部分の加飾がブラウンとなり、シート表皮もブラウンとなります。
N-BOXカスタムをコーディネートスタイルとした場合は、前後のメッキパーツがダークメッキとなります。インテリアではドアとインパネの加飾、ステアリングスポーク6時部分の加飾がマルチボルドーとなり、シート表皮は軽自動車としては珍しいフル合皮(プライムスムース合皮)となりボルドーのアクセント材が追加されます。
機能面ではホンダセンシングの性能が強化され、最新版となりました。まず各機能を120km/h対応としたほか、リヤのセンサーを2センサーから4センサーに増加することで後方誤発進抑制とパーキングセンサーとして使えるようになりました。
CVTはGデザイン制御を取り入れました。これにより早くGを立ち上げ、それを維持するような加速が可能となり、高速道路での進入などをよりスムーズに行えるようになっています。
ブレーキ操作時にはステップダウンシフトを採用。ブレーキを作動させている際はCVTの変速をステップ調とすることで、よりエンジンブレーキが効いている感覚をドライバーに与えます。
このチューニングに合わせて、CVTのポジションの最下段(もっとも手前)をLからSに変更し、レイアウトをP-R-N-D-Sとしました。新しいN-BOXのSレンジでのエンジンブレーキは、従来のLレンジよりおだやかなフィーリングとなるものの、ブレーキを踏むと従来のLレンジ相当の効きとなるとのことです。
快適性の向上ということで振動や騒音に対する対策も行われています。
ターボ車とFF車はフロントの右ドライブシャフトを改良、4WDモデルはプロペラシャフトの改良を行われました。ファイナルドライブギヤの歯面研磨によって、ノイズやバイブレーションも低減されています。
後席への荷物の置き忘れを注意喚起するためのリヤシートリマインダーという装置が追加されました。これはリヤドアの開閉を記憶して、エンジンをストップした際にメーター内に「後席への置き忘れに注意して下さい」というアラートがメーター内に表示されるというものです。
N-BOXはスロープ仕様車が用意されていることでも知られているモデルです。スロープ仕様車は車いす利用車が快適に乗車できることを大前提としていますが、除雪機のような重量物や自転車などをイージーに搭載できるということで人気となっています。
通常、スロープ仕様車などは持ち込み登録となることが多いのですが、N-BOXのスロープ仕様車は型式認定を受けているため、通常のクルマと同じように登録できるところも魅力です。今回のマイナーチェンジはスロープ仕様車も同様の内容が行われています。
昨今のコロナ禍受けて、ウイルスを撃退するエアコンフィルター、その名も「くるますく」という用品が開発され、まずはN-BOXから使用可能となりました。
くるますくはエアコンフィルターの表面に存在する突起で、ウイルスを物理的に破壊するというものです。コロナウイルスに対する効果は確認されていませんが、多くのタイプのウイルスで99.9%以上のウイルス減少率が確認されているということで、期待は膨らむばかりです。
●N-BOX・バリエーション&価格 | ||
タイプ | 駆動方式 | 価格(消費税込み) |
G | FF | 142万8900円 |
4WD | 156万2000円 | |
L | FF | 155万9800円 |
4WD | 169万2900円 | |
L・ターボ | FF | 175万8900円 |
4WD | 189万2000円 | |
EX | FF | 165万8800円 |
4WD | 179万1900円 | |
EX・ターボ | FF | 180万9500円 |
4WD | 194万2600円 | |
L コーディネートスタイル | FF | 177万9800円 |
4WD | 191万2900円 | |
L・ターボ コーディネートスタイル | FF | 188万9800円 |
4WD | 202万2900円 |
●N-BOXカスタム・バリエーション&価格 | ||
タイプ | 駆動方式 | 価格(消費税込み) |
L | FF | 176万9900円 |
4WD | 190万3000円 | |
L・ターボ | FF | 196万9000円 |
4WD | 210万2100円 | |
EX | FF | 187万9900円 |
4WD | 201万3000円 | |
EX・ターボ | FF | 201万9600円 |
4WD | 215万2700円 | |
L コーディネートスタイル | FF | 197万8900円 |
4WD | 211万2000円 | |
L・ターボ コーディネートスタイル | FF | 209万9900円 |
4WD | 223万3000円 |
●N-BOX・スロープ仕様車・バリエーション&価格 | ||
タイプ | 駆動方式 | 価格(非課税) |
G・スロープ | FF | 162万9000円 |
4WD | 175万0000円 | |
L・スロープ | FF | 174万8000円 |
4WD | 186万9000円 | |
L・ターボ・スロープ | FF | 192万9000円 |
4WD | 205万0000円 | |
L・スロープ コーディネートスタイル | FF | 194万8000円 |
4WD | 206万9000円 |
●N-BOXカスタム・スロープ仕様車・バリエーション&価格 | ||
タイプ | 駆動方式 | 価格(非課税) |
L・スロープ | FF | 198万9000円 |
4WD | 211万0000円 | |
L・スロープ コーディネートスタイル | FF | 210万9000円 |
4WD | 223万0000円 |
(文・写真:諸星 陽一)