■最高出力の向上と共に、よりスムーズな加速性能を引き出す制御を採用
マツダの第7世代の第2弾であるCX-30が一部改良を受け、一部のモデルが2020年12月17日から発売されました。「SKYACTIV-G 2.0」搭載モデルは、2020年12月17日からの発売で、「e-SKYACTIV X」搭載モデルと「SKYACTIV-D 1.8」搭載機種は、2021年1月発売の予定となっています。
今回、一部改良を受けたCX-30は、2019年10月に発売されたばかりですが、マツダは現行モデルをほぼ年次改良といえるきめ細やかなアップデートを図ることで、商品力の向上を実現する戦略を取っています。CX-5やCX-8では制御のアップデートなどによりドライバビリティやディーゼルエンジンの最高出力を向上させています。
CX-30でも走行性能の向上が図られています。以前お伝えしたように、ひと足先に商品改良がアナウンスされたMAZDA 3と同様に、「SPCCI」と「M ハイブリッド」を組み合わせる新世代ガソリンエンジン「e-SKYACTIV X(イー・スカイアクティブ エックス)」、クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.8」搭載車のエンジンとトランスミッションの制御技術をアップデートしエンジン出力の向上が図られています。
「e-SKYACTIV X」では、「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」の燃焼制御を最適化することで、ほぼ全てのエンジン回転域でトルクと出力を向上。
これにより、最高出力は132kW(180PS)から140kW(190PS)に、最大トルクは224Nmから240Nmにそれぞれ引き上げられています。高応答エアサプライの過給を緻密に制御されたことも含めて、素早いアクセル操作に対してより速やかに過給することで、応答性を向上させたとのことで、街中でのより鋭い加速を引き出せそうです。
また、新しい呼称である「e-SKYACTIV X」の専用バッジがフロントフェンダーとリヤに配置されています。人気の「SKYACTIV-D 1.8」では、最高出力が85kW(116PS)から95kW(130PS)に向上。同時に、より広いエンジン回転域で力強いトルクを発揮する制御にアップデートされ、アクセルを踏み始めた瞬間のレスポンスが高まったそうです。
これにより、高速道路での合流や追い越し時など、アクセルを踏み増して一気に加速するシーン(3000rpm~)などで、より力強いトルクを瞬時に生み出し、ディーゼルエンジンの強みであるパワフルな加速を持続的に発揮するとしています。
ディーゼルエンジンならではの低燃費など高い経済性はそのままに、アクセル操作に対して遅れなくトルクが発揮されることで、ドライバーの要求どおりにクルマが応答するように燃焼制御も見直したとしています。さらに、ドライバビリティの向上では、アクセル操作に対するレスポンスとコントロール性を向上することで、よりドライバーに沿う加減速が可能になるそう。
先進安全装備では、「クルージング&トラフィック・サポート(CTS)」の作動上限速度を高速域まで拡大し、さらに制御を最適化することで、高速道路でより安心でストレスのない走りを引き出すことができるそう。MAZDA 3の商品改良もそうですが、CX-30でもこうした改良により、マツダが追求する走りのよさを、街中から郊外、高速道路まで状況を問わず一体感のあるクオリティを実現したとしています。
100周年特別記念車として、2020年「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」のTOP3選出を記念したモデルが設定されています。ボディカラーが「ソウルレッドクリスタルメタリック」になり、「WCOTY TOP3選出記念モデル専用オーナメント」が購入記念品として納車時に進呈されます。なお、他の装備は100周年特別記念車と共通です。
CX-30の価格帯は、239万2500円~371万3600円。「100周年特別記念車/100周年特別記念車2020ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(WCOTY)TOP3選出記念モデル」は、311万7380円~406万9980円。WCOTY TOP3選出記念モデルのベース車両は、100周年特別記念車になります。
100周年特別記念車、WCOTY TOP3選出記念モデルは、2021年3月31日まで注文受付となっています。なお、MAZDA 3 でアナウンスされている既存車向けの無償アップデートの検討については、CX-30では触れられていませんが、今後の発表にも注目です。
(塚田勝弘)