■アウトランダーPHEV譲りのツインモーター4WD方式のPHEVシステムを採用
ミドルサイズのクロスオーバーSUVである三菱エクリプス クロスにプラグインハイブリッド車のPHEVが追加され、2020年12月4日から発売されました。
なお、ガソリンエンジン車もマイナーチェンジを受けていて、新型エクリプス クロスはガソリンモデル・PHEVの2本立てとなります。注目のPHEVモデルは、同社の最上級SUVであるアウトランダーPHEVと同様、ツインモーター4WD方式のPHEVシステムが搭載されています。
PHEVは前後に1つずつ高出力モーターを備え、大容量の駆動用バッテリー、2.4LのMIVECエンジンなどからなるツインモーター4WD方式のPHEVシステムをアウトランダーPHEVから継承しつつ、エクリプス クロスに合わせて制御が最適化。
電動駆動モデルならではのスムーズで力強い加速、軽快感と安心感のあるハンドリングが得られたそう。駆動用バッテリーは13.8kWhで、EV航続距離は57.3km(WLTCモード)を確保。
これにより、日常の買い物など、生活の大半でEV走行でまかなえるはず。また、走行モードは、駆動用バッテリーの電力でモーター駆動する「EV走行モード」、エンジンで発電した電力でモーター駆動する「シリーズ走行モード」、エンジンで発生した動力で走行しモーターがアシストする「パラレル走行モード」の3つが用意され、状況に応じて自動で切り替え、静かに住宅街を走りたい早朝深夜など、状況とバッテリー残量に応じてモーター走行を楽しむことができます。
また、PHEVの利点として、車内に装備されたAC100V(最大1500W)のコンセントにより家電製品が使えます。災害時やキャンプなどのアウトドアで重宝する機能です。さらに、急速充電口をV2H(Vehicle to Home)機器と接続することで、クルマに蓄えた電力を家で使える家庭用の蓄電池に早変わり。
PHEVは自ら発電することができるため、満タン、満充電の状態からだと、一般家庭の最大約10日分に相当する電力を供給することができます。なお、供給可能電力量は同社の試算によるもので、一般家庭での一日当たりの使用電力量を約10kWh/日として算出されたそう。
PHEVの走りの面では、伝達ロスがなく、自在に前後駆動力配分が可能なツインモーター4WDをベースとした「S-AWC」が搭載されています。高応答、高精度、高自由度という電動駆動モデルの特性を生かし、走る、曲がる、止まるという車両運動をより高次元で制御するそう。
さらに、大容量の駆動用バッテリーを床下中央に配置することで前後重量バランスの最適化と低重心化を図り、より上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現したとしています。こうした上質な走りは、アウトランダーPHEVでも実現されていますので、エクリプス クロスPHEVでも大いに期待できそうです。
PHEVの価格帯は、384万8900円~447万7000円で、PHEVは重量税が免税になり、令和2年度クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(CEV補助金)は22万円です。
また、ガソリンエンジン車は、253万1100円~334万6200円となっています。
(塚田 勝弘)