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■20℃を切った路面温度はDUNLOP優勢?
11月28日・29日に富士スピードウェイで開催の2020 AUTOBACS SUPER GT最終戦『たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE』。11月28日にはその公式予選が行われました。
ノックダウン方式となる予選のQ1ですが、参加台数の多いGT300クラスはA組とB組のともに15台ずつに分けられ予選Q2へ進出できるのは各組上位8台となります。各組への振り分けは前戦第7戦もてぎ大会終了時点の競技成績(チームポイント)に基づいたものとなっています。
A組で最速だったのは1分36秒131を出した11号車 GAINER TANAX GT-R。A組では予選開始早々にクラッシュがありましたが、そのマシンが自走でピットに戻ることが出来たためにセーフティーカーなどは導入されずにそのまま予選は続行されています。
B組の最速は1分36秒161を出した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。B組でチャンピオン争いに名を連ねていた55号車 ARTA NSX GT3は午前中のフリー走行でのエンジントラブルが回復せず、予選出走を断念することとなります。
A組、B組ともにトップタイムはDUNLOPタイヤが出しており、路面温度17℃という寒い状態では前戦もてぎ同様にDUNLOPタイヤが優勢という印象を与えていました。
Q1のA組だった4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGは惜しくもQ1敗退でチャンピオンへの最後の希望がここで立たれてしまうことになります。
■BS vs DL。路面温度16℃の低温バトルでコースレコード続出
各組8台ずつ、計16台で競われたQ2。路面温度は16℃まで下がり、各車ウォームアップには余念のない状況。
予選開始から丁寧にタイヤを温めるような走行を繰り返し、ラスト3分くらいでタイムアタックを開始します。アタックラップは出来ても2周という状況です。
そんな中SUBARU BRZ R&D SPORTがまずアタックを仕掛けてきますが、その直後に埼玉トヨペットGB GR Supra GTが1分34秒665という驚異的なタイムでトップに浮上
このタイムを上回るマシンは現れずにタイムアップでチェッカーフラッグが振られます。
このタイムを叩き出した川合孝汰選手はSUPER GT初ポール!となります。また埼玉トヨペットにとっても今季初のポールポジションとなります。
今シーズンの開幕戦富士でも優勝をしている埼玉トヨペットGB GR Supra GTがポールポジションからどんなレースを見せてくれるのか?大いに期待が膨らみます。
2位にはSUBARU BRZ R&D SPORTが、そして3位にはADVICS muta MC86が入ります。4位にはK-tunes RC F GT3、5位にはLEON PYRAMID AMG、6位にはGAINER TANAX GT-RとBS、DLが交互に入るという展開。またこの6位までがコースレコードとなっています。
この状況はBSとDLが寒さに強いということではなく、ヨコハマタイヤが寒さに合わせこめなかった、と見た方がいいかもしれません。
■予選ポイント1点でチャンピオン争いはどう変わる?
泣いても笑っても最終戦となるこの富士では、予選ポイントの1点も貴重な存在です。
現在ランキングトップのリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが56点、LEON PYRAMID AMGが51点でそれを追います。
LEON PYRAMID AMGが優勝でリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが2位の場合は同点となりますが表彰台の数でLEON PYRAMID AMGがチャンピオンとなります。
しかしこの2台が買いに沈んだ場合、予選ポイントを獲得した埼玉トヨペットGB GR Supra GTはかなり有利な展開となります。埼玉トヨペットGB GR Supra GTが優勝でランキングの1,2トップが6位以下となればチャンピオンということになります。
本当にチャンピオン争いがカオスとなってきたGT300クラスです。
なお、GT500クラスはKeePer TOM’S GR Supraがポールポジションを獲得。予選ポイントを加えて52ポイント!決勝が始まるまでの間はKeePer TOM’S GR Supraの平川選手がGT500のランキングトップということになります。
GT500はランキング上位6台のうち優勝したチームがチャンピオンという、こちらも大波乱が予想されるシリーズチャンピオン争いです。
決勝レースは29日13時から300kmで行われます。
(写真:松永和浩、吉見幸夫 文:松永和浩)