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■先行逃げ切り策が見事にハマった!
2020年11月22日に行われたピレリスーパー耐久シリーズ2020 第4戦 「もてぎスーパー耐久 5Hours Race」の決勝レース。
ST-2クラスでポールポジションの32号車 ROOKIE Racing GR YARISがスタートから圧倒的な差を見せつけホールショットを奪います。
ポールポジションからスタートドライバーの佐々木雅弘選手が逃げます。直接のライバルとなる59号車 DAMD MOTUL ED WRX STIなどは一歩も近づくことが出来すに40周目、MORIZO選手に交代。
MORIZO選手とは言わずもがな、豊田章男社長のサーキットネームです。そのMORIZO選手もトップをキープ。
MORIZO選手は同クラスには誰にも抜かれることなくトップをキープしたまま63周目に井口卓人選手に代わります。
102周目から再び佐々木選手がドライブ。義務ピットインは3回ですので佐々木がフィニッシュドライバーということになります。
■余裕の演出か? ラストに再度ピットイン
佐々木選手でフィニッシュするかと思われた残り20分を切った頃、ROOKIE Racing GR YARISがピットインしてきます。ガソリンがもたなかったのか?
これはMORIZO選手にチェッカーフラッグをくぐってもらおうというというもの! ドライバーチェンジをしても余裕でチェッカーをくぐれるという判断がなければ出来ない演出です。
そのMORIZO選手はトップでチェッカーを受けることに成功。
2位のDAMD MOTUL ED WRX STIに対して、ほぼ2周差での圧勝となりました。
■本当のライバルは誰?
圧勝と言える大差で優勝をもぎ取ったROOKIE Racing GR YARIS。熟成の早さは目を見張るものがあります。
現在のST-2クラスでは向かうところ敵なしな状態で、他のクラスとも戦えるのではないかという憶測も出てきます。
ROOKIE Racing GR YARISの周回数を見てみるとFIA-GT4マシンのST-Zクラスで中盤くらいで、ポルシェケイマンと同レベルのタイムと周回数を記録しています。
ST-Zクラスは市販車ベースのレース専用設計ですが、ST-2クラスは市販車を改造して参戦するので本来はST-2クラスの方が改造範囲が狭いということになります。そんなST-2クラスのROOKIE Racing GR YARISが叩き出すタイムがいかに尋常ではないか?という部分がお解りいただけますでしょうか。
GRヤリスは満を持して登場しただけのことはある4WDスポーツカーだ!と断言できると思います。それをスーパー耐久のリザルトによって宣言しているかのような今回の優勝。
これが本物たり得るかどうかは今後のオートポリス戦、鈴鹿戦での動向ではないでしょうか?
(写真・文:松永 和浩)