渋谷パルコのリニューアルオープン1周年を記念してポルシェ911のアートカーを展示

■石膏とクリスタルで1000年後も走りつづけるクルマを表現

ポルシェジャパン株式会社は、ポルシェと現代アーティストのダニエル・アーシャムとのコラボレーション作品「Crystal Eroded Porsche 911」(クリスタル エローデッド ポルシェ911)を2020年11月19日(木)、渋谷パルコにおいて1日限定で公開しました

「Crystal Eroded Porsche 911」(クリスタル エローデッド ポルシェ911)

アメリカを拠点に活動している現代アーティストであるダニエル・アーシャムとは、「フィクションとしての考古学」をコンセプトに、彫刻をはじめ、ペインティングやインスタレーションなど幅広いジャンルで活躍しています。

生まれながらに色覚異常(色盲)を持つことから、作品の多くが白と黒を基調としたものが多いのです。日本では2020年8月に幅広い世代に人気の「ポケモン」を題材にした作品展を、ここ渋谷パルコで開催して話題を集めました。

今回、渋谷パルコに展示された「Crystal Eroded Porsche 911」は、最新の992型をベースに作られた走行可能なアートカーです。アーシャムが、白くマットな石膏素材をベースに彫刻とクォーツ(鉱石)を取り入れた加工をフロント、サイド、リアの部分に施したもの。

アーシャムは「私は劣化して浸食されても走れる機能的なクルマを作りたいと思っていました。この作品は、新車を用いた点でユニークなプロジェクトでした。過去にもクルマのプロジェクトで象徴的な彫刻とクォーツのアイデアを取り入れましたが、私にとって初めての実走行可能な作品です」とのこと。

ちなみにこの911は、ベース車と総重量(1565kg)は変わっていないそうです。

実はポルシェとのコラボレーションは今回だけではなく、930型911をベースにした作品から2年続いています。

930ターボをベースに過去のポルシェレーシングをインスタレーションした作品
アーシャム・ポルシェ930ターボの内装

■実際に渋谷パルコへ

流行の街・渋谷の人気スポット「スペイン坂」にあるファッションビルブランド「パルコ」の渋谷店。渋谷のトレンドの発信地となっており、この「スペイン坂」の名付け親もこの渋谷パルコ。2016年に建物の老朽化で一度閉店し、2019年11月にリニューアルオープンしました。

Crystal Eroded Porsche 911

そこにマット調の911が1台展示されていました。

Crystal Eroded Porsche 911(992)
ボンネットなどに侵食をイメージした穴は、実際に穴を空けて石膏を流し込み、鉱石を入れている。

まず正面から。トランクドアにはアーシャムを象徴する石膏素材をベースにした、大きく抉られた彫刻とクォーツの加工が目に飛び込みます。

左ヘッドライト横、右サイドミラー、フロントバンパーの右端にも同様の加工が施されているのがわかりますね。

左側面に移動すると、前後フェンダーとドアに同様の加工が確認でき、長い時間をかけ侵食されてしまった様子が表現されています。

Crystal Eroded Porsche 911(992)
Crystal Eroded Porsche 911(992)

右側面もリアフェンダーが侵食されています。

Crystal Eroded Porsche 911(992)
Crystal Eroded Porsche 911(992)

992型の大きな特徴であるリアバンパーにも侵食が…その下には白いナンバープレートが装着されており「ARSHAM 3019」と刻まれています。

「3019」はこの911が走っている西暦3019年を意味しているそうです。つまり今から約1000年後に発掘されたポルシェ911であることを表現しています。

Crystal Eroded Porsche 911(992)

インテリアは、シートにアーシャムのロゴが刺繍されグレーを基調としたデザインとなっています。

「3019年10月21日に登録」という文章とアーシャムのサイン
Crystal Eroded Porsche 911(992)
Crystal Eroded Porsche 911(992)
Crystal Eroded Porsche 911(992)
Crystal Eroded Porsche 911(992)

夜になると夕方より開催されていた渋谷パルコのオープン1周年パーティーもありライトアップされていた911に沢山の人が見学に訪れていました。

Crystal Eroded Porsche 911(992)
Crystal Eroded Porsche 911(992)

現代文明において、クルマというのは生活に欠かせないモノ。3019年の世界でもそうあって欲しいですね。

(栗原 淳)