さて問題です。このクルマのベース車は何でしょう? 光岡自動車初のアメ車風SUV「Buddy(バディ)」登場

■限定車でなく、通常モデルとして登場

●ボディカラーのネーミングが最高!

Buddyアンヴェール
発表会では、光岡章夫社長と渡部稔執行役員がアンヴェール

2020年10月29日(木)にすでにティザーで画像が公開されていたミツオカの新しいSUV、Buddy(バディ)が11月26日(木)に正式公開され、同時に先行予約の受け付けが開始されました。

光岡自動車を創業し、日本で10番目の乗用自動車メーカーとして光岡ブランドを立ち上げた光岡進会長が作り上げてきた、英国クラシックカー風のモデルとなるビュートやヒミコ、リューギとは異なるテイストとなりました。

これを進めてきたのが光岡章夫社長。2002年から光岡自動車を受け継ぎ、創業50周年を迎えたその記念モデルとして世に出たのが、マツダロードスターをベースに2代目シボレーコルベットをモチーフに1960年代をイメージした「ロックスター」でした。限定200台という限定生産モデルはすでに完売となっています。今回のバディもその延長線上にあります。

MITSUOKA Buddy
ミツオカ・ロックスターに続く2年ぶりの車両はSUV

渡部稔執行役員が、このバディの企画の経緯について説明しましたが、やはりロックスターで得られたものは大きいと語ります。

「ロックスターは過去のミツオカにない新たな方向性、そして、いいじゃんこれ!って、シンプルにいいといってもらえるデザインコンセプトで、それまで縁のなかったお客様から関心を寄せていただき、生産台数200台に関しては程なく完売となりました。アメリカンテイストあふれる2シーターオープンは趣味性も高く、マーケットとしてもきわめて狭いカテゴリーでありながら、短期間に完売し、いまもなお新古車希望のお問い合わせをいただいております。この事実が私たちミツオカの新たな方向性を見つけるうえで大きな自信につながりました。ロックスターをヒントにしながら、これまでにないカテゴリーで遊び心あふれる楽しいクルマづくりに挑戦しようという気持ちにさせてくれました」と語ります。

MITSUOKA Buddy
もっと気軽に乗れるクルマ、自然体で乗れる、まさにTシャツにジーパンで乗れるSUVがコンセプト

バディはその名の通り、仲間、相棒という意味ですが、オーナー一人ひとりにそっと寄り添う相棒であってほしい、と名付けられたといいます。その車両はサイドウインドウの形状を見ればわかるとおり、トヨタRAV4がベースとなっています。が、フロントはフェンダーより先、リアはフェンダー、バンパー、リアゲートカバーといった部分がそっくり入れ替わっており、そのベース車の印象はほぼ見られません。

MITSUOKA Buddy
ボンネット表面はプレス加工の鉄板を使用している

1970~80年代のアメリカンSUVをテーマにしたこのバディですが、これまでのミツオカ車両とは異なり、生産方式を変更しています。これまでのミツオカ車は少量生産に対応するため、主にFRPを使ってきました。しかし、このバディからは一般的な自動車の外装に使われるABSやPPといった素材を使用することとなったといいます。これらの素材や生産方式は、自動車大手メーカーなら当たり前のことですが、ミツオカの生産規模ではイニシャルコストが高く、ハードルも高い。しかしこのバディでは、そのボディ形状の角ばった造形を出すため、そしてより多くのお客様にお届けしたいという想いから、品質向上から生産効率を上げる必要があってその手法を取ったといいます。

MITSUOKA Buddy
225/70R16サイズのBFグッドリッチタイヤはオプション

ボディサイズは、全長4730×全幅1860×全高1685(mm)。ホイールベースは2690mm、最低地上高190(ハイブリッド車)/195/200(20LXのみ)mm。乗車定員は5名となります。

MITSUOKA Buddy
ボディカラーは全18色。モノトーン標準色6色、モノトーンオプションカラー6色、そしてオプションのツートーン6色

ボディカラーのネーミングもイカしています。これについては1970~80年代のカルチャーをテーマにしたネーミングだといいます。おもわずニヤリとなるカラーネームが並ぶボディカラーは、標準色として、グローブワンホワイトパール、T800シルバーメタリック、ベルベットレッドマイカ、ダブルエックスブルーマイカ、MJブラックマイカ、ガンメタリックという6色。さらに、グランジデニムブルーパール、80´sミント、デイ・オブ・グリーンマイカ、スリラーレッド、95イエロー、ディープパープルメタリックの6色がオプションカラーとして設定されており、モノトーン12色をラインナップ。さらにルーフ部分をホワイトに塗り分けたオプションのツートーン、ノースカロライナブルー/ホワイト、ストリートホワイト/ホワイト、トップガングレー/ホワイト、スターオレンジ/ホワイト、フューリーイエロー/ホワイト、ビーチベージュ/ホワイトの6色が用意され、全18色で展開されます。

インテリアは、専用レザーシート&トリムセットではボディカラーに合わせたシートのストライプを入れることが可能です。

MITSUOKA Buddy
専用レザーシートとトリムセット

グレード展開は、ベースとしているトヨタRAV4に準じたものとなっており、2Lガソリンエンジン搭載の「20LX」、「20DX」、「20ST」、2.5Lエンジンにハイブリッドを組んだ「HYBRID DX」、「HYBRID ST」の5グレード。いずれも4WDおよびE-Fourが用意されますが、「20ST」と「HYBRID ST」には2WDモデルも設定されます。価格(税込)は469万7000円(20ST)から589万9300円(HYBRID DX)となります。

MITSUOKA Buddy
フロントのウィンカーは、デイライト部分がターンライトに変わる

先行予約受付が開始となりましたが、発売はは2021年6月以降となります。2021年以内の生産台数は50台。2022年以降は年間生産150台となる計画です。限定生産モデルではなくミツオカのラインナップ・モデルとして続いていき、すでにティザー公開以降、これまで経験したことのない数多くの問い合わせがあるということで、すでに納車まで相当な時間がかかる可能性が高いといいます。

MITSUOKA Buddy
オプションの車名ロゴはフレアパターンを組み込んだ、これまたアメリカンな仕上がり。他にもサーフ仕様も

この発表会に登場した光岡章夫社長は、1年半前に企画でスケッチを見ていますが、実車を見るのがこの日初めてということで、「スケッチを見たときは違和感があったけれども、今これを見ると、アメ車よりもアメ車っぽい」と絶賛。さらに「1~2年後、今後も新しいクルマが出せることができると思います」とさらなる新型車両の登場についても言及。そして「私が一番好きなクルマがあります。それがミツオカ・オロチです。これを計画に入れようと考えております。そしてもう1台、ゼロワンです。これはやっていきたい」とはっきりと名言。

今後のミツオカからも目が離せません。

(青山 義明)

この記事の著者

青山 義明 近影

青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
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