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■第7戦もてぎのホンダ上位独占で大きく変わったシリーズランキング
11月8日に決勝レースが行われたSUPER GT第7戦もてぎ。
このレースのGT500クラスではポールポジションがModulo NSX-GT、優勝がARTA NSX-GTという結果。
出場したホンダNSX-GTの5台全てで優勝から5位までを独占するということとなりました。
これにより2020シーズンのポイントランキングが大きく様変わりをしています。
●混沌とするシリーズランキング
第6戦終了時のポイントランキングトップはWAKO’S 4CR GR Supra。
一度も優勝をしたことがないという状態でも第5戦まで表彰台3回な上に取りこぼし無しで、2度の優勝を果したMOTUL AUTECH GT-RやKEIHIN NSX-GTよりも多くのポイントを保有してのランキングトップでした。
しかしSUPER GT第7戦もてぎでWAKO’S 4CR GR Supraがノーポイント、KEIHIN NSX-GTが5位で6ポイントを得たことによりKEIHIN NSX-GTが51ポイントでランキングトップとなったのです。
それでは第7戦もてぎ終了時の現在のランキングを見てみましょう。ランキング2位はもてぎ戦6位でKEIHINと同点ながら表彰台回数で2位となっているKeePer TOM’S GR Supraの平川亮選手。 ニック・キャシディ選手は第7戦以降はフォーミュラーE選手権に出場のため欠場となりますので、シーズンチャンピオンを狙えるのは平川選手のみとなります。
ランキング3位はもてぎ戦7位で現在49ポイントのMOTUL AUTECH GT-R。
ランキング4位はもてぎ戦3位で現在49ポイントですが同点のMOTUL AUTECH GT-Rに優勝回数で負けているRAYBRIG NSX-GT。
RAYBRIG NSX-GTは表彰台が第3戦鈴鹿が2位と今回のもてぎ戦が3位の2回の表彰台と、MOTUL AUTECH GT-Rと表彰台回数は同じではありますがMOTUL AUTECH GT-Rはその2回の表彰台が両方とも優勝ということでランキングに差がついているのです。
ランキング5位は第7戦もてぎの優勝で20ポイントを獲得し48ポイントとし、一気にジャンプアップしてきたARTA NSX-GT。
ランキング6位は第6戦終了時まで47ポイントでトップだったWAKO’S 4CR GR Supraとなります。
このWAKO’S 4CR GR Supraまでが最終戦富士で優勝すれば何の問題も無くチャンピオンとなります。
ランキング7位はKeePer TOM’S GR Supraのニック・キャシディ選手となりますが前述の理由によりチャンピオン候補にはなりえません。
ランキング8位は45ポイントのau TOM’S GR Supraですが、仮にau TOM’S GR Supraが最終戦で優勝しても2位にKEIHIN NSX-GTかKeeper TOM’S GR Supraが入ればチャンピオンが無い、という状況です。
ランキング9位は42ポイントのDENSO KOBELCO SARD GR Supraですが、こちらがチャンピオンになるには優勝の他にKEIHIN NSX-GTとKeeper TOM’S GR Supraが表彰台に乗らず、MOTUL AUTECH GT-RとRAYBRIG NSX-GT、ARTA NSX-GT、WAKO’S 4CR GR Supraが3位までにとどまるという条件となります。
しかし、DENSO KOBELCO SARD GR Supraまでがチャンピオンの可能性が無いわけではないという部分を考えれば実に9台によるチャンピオン争いという混沌とした状況で最終戦富士をぶつかり合うということになります。
●最終戦富士でチャンピオン争いをひっかきまわしそうな存在は?
シリーズランキングでトップから10ポイント差の圏内に9台、4ポイント差の圏内で自力でチャンピオンを狙えるマシンが6台もいるというカオスな状況で、他のチームも手をこまねいているとは思えません。チャンピオン争いに関係なくても全身全霊をかけてレースに挑むのがプロというものです。
そういった意味でレースをひっかきまわしそうな存在となるのがModulo NSX-GTでしょう。最終戦は11月28日に予選、29日に決勝レースという日程で、なおかつ標高の高めな富士スピードウェイでの開催です。
路面温度が低い状態で推移するレース状況ですからそこにマッチしやすいDUNLOPタイヤが強みを発揮することでしょう。GT500クラスで唯一のDUNLOPタイヤを使うModulo NSX-GTが強くないはずがありません。
最終戦はノーウェイトハンデということになりますのでカルソニック IMPUL GT-RやZENT GR Supraも見逃せない存在と言えるでしょう。
勢いに乗るホンダか、ホームコースの意地を見せるトヨタか、または地の底から這いあがってくる日産か?
チャンピオン争いの行方は如何に。
(写真・文:松永 和浩)