強運と剛腕でリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが今季2勝目【SUPER GT 2020・第7戦もてぎ】

■またも明暗を分けたセーフティーカー!

11月7~8日に栃木県のツインリンクもてぎで開催の2020 AUTOBACS SUPER GT第7戦『FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE』。8日日曜日は決勝レースが行われました。

スタートの様子
スタートの様子

スタートでは、ポールポジションスタートの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが1コーナーを先頭通過でホールショット。予選2位の244号車 たかのこの湯 RC F GT3に11号車 GAINER TANAX GT-Rが並びますが、たかのこの湯 RC F GT3は順位を守っていきます。しかし、たかのこの湯 RC F GT3は第6戦鈴鹿のフリー走行でのクラッシュで全損したために車体交換を行っており、このペナルティのピットストップ15秒により順位を大きく下げることになります。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

トップのSUBARU BRZ R&D SPORTは序盤から少しずつリードを広げていきますが、2番手のGAINER TANAX GT-Rの後方には、1周目に25号車 HOPPY Porsche抜き去ってきた360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rが迫ります。

グッドスマイル 初音ミク AMG
グッドスマイル 初音ミク AMG

さらにその背後には、4番手に浮上した56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが! その後方でHOPPY Porsche、4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG、55号車 ARTA NSX GT3、18号車 UPGARAGE NSX GT3が絡み5位争いの激しい戦いが展開されていきます。

リアライズ 日産自動車大学校 GT-R
リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rのピットワーク

そんな中での21周目、5号車 マッハ5G GTNET MC86 マッハ車検がV字コーナー手前でストップしてしまい、24周目にセーフティカーが導入されてしまいます。

この直前にピットインしていたのはグッドスマイル 初音ミク AMG、リアライズ 日産自動車大学校 GT-R、UPGARAGE NSX GT3などでGT300クラスではそのほかの多くのマシンがまだピットインをしていません。

65号車 LEON PYRAMID AMGセーフティカー前にピットに入ってタイヤ無交換作戦に出ますが、この間にSUBARU BRZ R&D SPORTが目の前を通過しラップダウンとなってしまいます。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORTのピットワーク

28周目にセーフティカーが解除されるとそのほかのマシンも一斉にピットインしていきますが、時すでに遅しの感も否めません。SUBARU BRZ R&D SPORTはすでにトップをグッドスマイル 初音ミク AMGに明け渡してしまっていました。そのトップを僅差で追うのがリアライズ 日産自動車大学校 GT-R。まさに命運を分けたセーフティーカーとなりました。

■優勝をもぎ取ったリアライズ 日産自動車大学校 GT-R、オリベイラの剛腕!

セーフティカーが解除され様相が一変した順位。

グッドスマイル 初音ミク AMG
グッドスマイル 初音ミク AMG

この時点でトップに立っていたグッドスマイル 初音ミク AMGは谷口信輝選手、2番手のリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rはブラジルの暴れん坊ともいわれるJ.P.デ・オリベイラ選手で、1秒未満の攻防が繰り広げられていました。

特に31周目から32周目にかけサイド・バイ・サイドの一歩も引かないバトルを展開。そこに鼻先をねじ込んできたのがリアライズ 日産自動車大学校 GT-RのJ.P.デ・オリベイラ選手。

初音ミク AMGを抜くリアライズ 日産自動車大学校 GT-R
初音ミク AMGを抜くリアライズ 日産自動車大学校 GT-R

接触上等の勢いでグッドスマイル 初音ミク AMGをコース外に追い出すほど攻め込んでトップを奪い取ります。

トップに立ったリアライズ 日産自動車大学校 GT-R
トップに立ったリアライズ 日産自動車大学校 GT-R

接触上等とは書きましたが実際には接触があったようで、リアライズ 日産自動車大学校 GT-RのJ.P.デ・オリベイラ選手はペナルティは取られてはいませんのでレース結果には影響はありませんが黒白旗が掲示され、これによりモラルハザードのポイントが加算されてしまうことになりました。

リアライズ 日産自動車大学校 GT-R、優勝の瞬間
リアライズ 日産自動車大学校 GT-R、優勝の瞬間

しかしこの熱いバトルこそがJ.P.デ・オリベイラ選手の持ち味ともいえます。この剛腕の展開によりトップを奪ったことによりリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rは逃げ切りの優勝を果たすこととなりました。

RUNUP RIVAUX GT-R
RUNUP RIVAUX GT-R

2位には熱いバトルを展開したもう一方のグッドスマイル 初音ミク AMGが入り、3位には第4戦のもてぎでポールポジションをとり終盤2位にから優勝を狙える位置にありながらガス欠で表彰台を逃した360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rが今季初の表彰台に上ります。

J.P.デ・オリベイラ選手と喜びを分かち合う藤波清斗選手
J.P.デ・オリベイラ選手と喜びを分かち合う藤波清斗選手

第5戦の富士からの2勝目をあげたリアライズ 日産自動車大学校 GT-R。今のところ今期で2勝をあげた唯一のチームとなります。

オートバックストロフィーと優勝選手
オートバックストロフィーと優勝選手

これにより一気にランキングトップとなったリアライズ 日産自動車大学校 GT-R。次戦の富士でLEON PYRAMID AMGより多くのポイントが取れればチャンピオンということになります。

毎年であればこの季節のもてぎが最終戦で、パルクフェルメや表彰式では年間タイトルが決まるという流れでしたが、コロナ禍で大きく変わったスケジュールでは次戦の11月28、29日に開催される富士戦が最終戦となります。

GT300の表彰式
GT300の表彰式

次戦の富士ではリアライズ 日産自動車大学校 GT-RとLEON PYRAMID AMGのチャンピオン争いが注目となりますが、万が一この2台がノーポイントの場合はチャンピオン争いに現在のランキング8位までが絡んでくるという怒涛の展開となります。

そんなチャンピオン争いにぜひとも注目していきましょう。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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