■ヴィッツ改ヤリスのクロス
「ヤリスクロス」を選んだ理由は、もっとアクティブに人生を楽しもうと思ったから。具体的に言えば、キャンプを始めたのがきっかけだ。
ヤリスクロスの前に乗っていたクルマは「ヴィッツ」。トヨタのコンパクトカーである。ヴィッツは気に入っていたけれど、キャンプに出かけるには荷室の広さが心もとない。そこで、荷室の広いクルマを探していた時に知ったのがこのヤリスクロスだ。
「でも、ヤリスクロスって聞いたことがない名前だよね。トヨタのクルマなの?」
彼女がそういうのも無理はない。なぜなら、8月末に登場したばかりのブランニューモデルだからだ。
実は、3月のフルモデルチェンジで「ヴィッツ」は「ヤリス」に改名した。ヤリスは日本ではなじみのない名前だけど、ヴィッツの海外での呼び名だったらしい。その名前が日本にも“逆輸入”されたというわけだ。
そんなヤリスをベースに作られた小さなSUVが「ヤリスクロス」というわけ。余談だけど、いま、欧州ではコンパクトカーを買う人の半分弱がSUVを選んでいるのだとか。
●広い荷室がジマン
ヤリスとヤリスクロスは車体の基本構造やパワートレインが同じだけれど、デザインはまったく違う。そもそも、車体はヤリスクロスのほうがひとまわり大きい。
そして何より、荷室が広くなっている。ヤリスは荷室床面の奥行き(前後長)が630mmで荷室容量は209~270L(駆動方式などによって違う)。対してヤリスクロスの荷室は奥行き820mm、容量320Lもあるのだから心強い。キャンプへ出かけるときは荷物が多くなりそうだから、この荷室の広さがヤリスではなくヤリスクロスを選ぶ決め手になった。
「でも、なんで同じような名前を付けるの。『ヤリス』は背の低い車で『ヤリスクロス』は背の高いクルマでしょ? 違う名前にしたほうがわかりやすいと思わない?」
そんな彼女の質問がもっともだと思う。だけどその答えは、ボクにもよくわからない。兄弟だということを主張したかったのか……な?(つづく)
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:大城 もも子/ヘア&メイク:東 なつみ/写真:ダン・アオキ)