アウターパネルも一新!ビッグマイナーチェンジを受けたアウディA4アバントの走りは?

■さり気ないモーターアシストと良好な乗り心地が味わえる

ビッグマイナーチェンジを受けたアウディA4。ブリスターフェンダーにより5mm拡幅するだけでなく、アウターパネルはドアパネルを含めてほぼ一新するという注力ぶり。今回、試乗したアウディA4アバント(A4 アバント 35 TFSI advance)の「35 TFSI」には、2.0Lの直列4気筒DOHCターボに、高効率化が図られたデュアルクラッチトランスミッションの7速Sトロニックの組み合わせになり、駆動方式はFFになります。

アウディA4アバント
アウディA4アバントの走り

エンジンスペックは、最高出力110kW(150ps)、最大トルクは270Nm。さらに、ベルト駆動式オルタネータースターター(BAS)と12Vリチウムイオンバッテリーを使ったマイルドハイブリッドドライブシステムを搭載。エネルギー回生機能を高め、コースティング(惰力走行)時にエンジンを完全停止するなどして、燃料消費量を抑制するなど、燃費向上策が盛り込まれています。なお、マイルドハイブリッドシステムにより100kmあたり0.3Lの燃料を削減できるそう。今回試乗した150psバージョンには、インテークマニホールド噴射が用意され、部分負荷領域でFSI直噴システムをサポートし、粒子状物質の排出量を削減。「アウディバルブリフトシステム(AVS)」は、充填効率を最適化するために、排気バルブのリフトを2段階で調整されます。

アウディA4アバント
「35 TFSI」には、2.0Lの直列4気筒DOHCターボを搭載する

加えて、熱管理システム用のコンパクトなロータリーバルブモジュールと、シリンダーヘッドに組み込まれたエキゾーストマニホールドも、優れた効率に貢献するそう。同エンジンは、効率をさらに追求するべく、短縮された圧縮工程と長い膨張行程を組み合わせた「B サイクル」と呼ばれる燃焼プロセスが採用され、もっとも頻繁に使われる中間負荷領域の実用域で、優れた効率を達成するそう。

こうした燃費対策が盛り込まれた同エンジンに加えて、12Vのリチウムイオン電池により最大5kWの回生、クランクシャフトに接続されたベルト駆動式オルタネータースターターがアイドリングストップやコースティング時には、エンジンを再始動させる役割を担っています。

エンジン再始動は素早い反面、若干振動も伝わってきますが、それほど気になるレベルではありません。山岳路を含めて実用域でのトルク感は十分にあり、高速域の伸び感もまずまず。モーター駆動の恩恵は低速域で感じ取れるもので、最大60Nmのモーターアシストは、パーシャル域からの加速でも車体をスムーズに前に押し出します。

それでもハイブリッド感は希薄で、言われなければ気がつかないさり気なさ。

アウディA4アバント
タイヤは225/50R17サイズのブリヂストン・トランザT005を装着

また、感心させられたのは乗り心地のよさで、標準装備のスポーツサスペンションでもアウディらしく硬質ではあるものの、十分に快適といえるフィーリングが前後席共に伝わってきます。ソフトとまではいえなくても決して芯を抱かせるものではなく、ステーションワゴンであることを感じさせないボディの剛性感、さらに後席でもフラットライド感が味わえ、大きめのギャップを踏んだ際のリヤサスペンションの動きもスムーズ。

アウディA4アバント
新型アウディA4アバントの走り

また、微少な振動も遮断されていて、基本的に快適な乗り味になっています。また、素直なハンドリングも美点で、回り込むようなコーナーでもノーズは素直に向きを変えてリヤの追従性も上々です。ドライバーだけでなくパッセンジャーも快適なロングドライブを楽しめそうです。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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