王者の貫禄! オーバーテイク連発の大激戦を制しニック・キャシディ選手が今季初優勝!【スーパーフォーミュラ2020】

■タイヤ交換が勝負の分かれ目に

宮城県のスポーツランドSUGOで2020年10月18日に開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦。

午前中に行われた予選では、今大会が日本でのデビューレースとなったF1テストドライバーの#50 Buzz Racing with B-Max セルジオ・セッテ・カマラ選手が、#20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 平川亮選手の3戦連続ポールポジションを阻む速さを魅せポールポジションを獲得し、サーキットのみならずオンラインで観戦していた多くのモータースポーツファンに衝撃を与えました。

そして午後の決勝にむけて、このままセッテ・カマラ選手がデビュー戦ポール・トゥ・ウィンという偉業を成し遂げるのかというところに関心が集まりました。

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スーパーフォーミュラ決勝がスタート
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ホールショットを奪った20号車平川亮選手

決勝レースの前に行われたウォームアップ走行でコースアウトしたマシン回収のための赤旗の影響で、定刻より11分遅れの15:51に53周で行われる決勝レースがスタート!

ポールポジションのセッテ・カマラ選手はSF19での初めてのスタンディングスタートとは思えないスタートダッシュを決めますが、コースのイン側からスタートした平川選手も抜群のスタートでセッテ・カマラ選手のインに飛び込みホールショットを奪います。

そのすぐ後ろでは6番手スタートで、2020年9月にフランスで行われたル・マン24時間レースで3連覇を成し遂げた#36 VANTELIN TEAM TOM’S 中嶋一貴選手が1コーナー進入でタイヤをロックさせてしまい、3番手からスタートした#4 KONDO RACING サッシャ・フェネストラズ選手と接触。

押し出されるような形でコースアウトしたサッシャ選手はコースに復帰しますが、接触によるマシントラブルで前戦岡山に続いて1周目で決勝レースを終えてしまいます。また、中嶋選手もフロントウイングが脱落しかけてしまいピットウィンドウが開く10周を待てずにノーズ交換のためピットに戻り、早々に優勝争いから脱落してしまいます。

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序盤、独走する平川選手

このスタートの混乱では10番手スタートで、ここSUGOで2018、2019年と2連勝している#5 DOCOMO TEAM DANDELION RACING 山本尚貴選手が5番手までジャンプアップ。オーバーテイクシステム(OTS)を使ってバックストレートで#16 TEAM MUGEN 野尻智紀選手もパスし、オープニングラップで4番手まで順位を上げます。

さらに4周目にはディフェンディングチャンピオンの#1 VANTELIN TEAM TOM’S ニック・キャシディ選手をホームストレートでオーバーテイクし、序盤からハイペースでトップを追いかけます。

またその後方では18番手スタート、中嶋選手と同じくル・マン24時間レースに出場していた#7 carrozzeria Team KCMG 小林可夢偉選手が11台抜きの7番手までポジションアップ。ピットウィンドウの開いた11周目でタイヤ交換義務を消化します。

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2番手を走る50号車セルジオ・セッテ・カマラ選手とそれを追う5号車山本尚貴選手

コース幅が比較的狭く、毎戦何かが起きるイメージのあるSUGO。今回もセーフティカー(SC)出動を嫌ってか、比較的早い段階でピットインしタイヤ交換義務を消化するマシンがいる中、18周目にはペースの上がらないセッテ・カマラ選手が山本選手にホームストレートで捉えられ、3番手にポジションダウン。バックストレートではキャシディ選手にもオーバーテイクを許してしまいます。苦しい展開となったセッテ・カマラ選手はそのままピットへ向かいタイヤ交換を行います。

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4コーナーでクラッシュしてしまったBuzz Racing with B-Max50号車
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このクラッシュによってセーフティカーが導入される

ここで右リヤタイヤの交換に手こずり10秒ほどロスしてしまったセッテ・カマラ選手、その遅れを取り戻そうと焦りが出たのか、ピットアウト直後の4コーナーのブレーキングでまだ温まっていないタイヤがまったくグリップせず、そのままコースアウト、タイヤバリヤにまっすぐ突っ込んでしまいました。

このクラッシュでSCが導入され、それまでピットに入っていなかった全車がピットイン、最小限のタイムロスでタイヤ交換義務を消化します。

●オーバーテイク連発!最後はファステストラップを更新する速さを魅せる

SCラン時点での順位はトップから平川、山本、キャシディ、野尻のトップ4。28周目にSCランが解除されると25周のスプリントレースが始まり、上位3台がロケットスタートを決め後続を引き離します。するとキャシディ選手が29周目に山本選手を、そして31周目には平川選手を共にホームストレートでオーバーテイクし、このレース初めてトップに立ちます。

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優勝した1号車ニック・キャシディ選手
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夕日を浴びて疾走するキャシディ選手

後方では終盤まで順位変動のある見ごたえあるレースが展開され、トップを走るキャシディ選手は46周目に全体でのファステストラップを刻むなど独走状態で53周を走りきり、今シーズン初優勝を飾りました!

2位にはスーパーGTでキャシディ選手と37号車をシェアする平川選手、3位にはHONDAエンジン勢トップとなる山本選手が3年連続優勝こそ逃しましたが表彰台を獲得しました。

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表彰式の上位3台のドライバー
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健闘を称え合うスーパーGT37号車コンビの2人

8月に開幕した今シーズンのスーパーフォーミュラも前半戦3大会が終了し、今シーズンは全7戦のうち上位5戦の獲得ポイントでシリーズチャンピオンが決まるため、ここまで3戦で下位に沈んだドライバーにもまだまだシリーズ上位に食い込むチャンスはあります。

シーズン中盤となる次戦第4戦は、九州大分のオートポリスにて11月14〜15日に開催される予定です。

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ポイントリーダーの20号車平川選手。いよいよシリーズは中盤戦へ

(H@ty)

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