●若手が一発の速さでベテラン勢を圧倒
秋晴れとなった10月18日、宮城県はスポーツランドSUGOにて全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦が開催されました。
世界中で未だに猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、今シーズンは日曜日に予選と決勝を行うワンデー開催となっているスーパーフォーミュラ。この週末も前日土曜には1時間×2の専有走行が行われ、日曜のこの日は午前中に予選が行われました。
A、Bの2組に分けて行われる予選Q1では各組上位7台がQ2に進出できます。
ここでは世界耐久選手権WECに出場したため前戦岡山大会を欠場した#7 carrozzeria Team KCMG 小林可夢偉選手を含む4名と、予選中のクラッシュによって赤旗の原因を作ってしまった#65 TCS NAKAJIMA RACING 大湯都史樹選手の5台がQ1で姿を消しました。
一方、A組ではディフェンディングチャンピオンの#1 VANTELIN TEAM TOM’S ニック・キャシディ選手、B組では今シーズン開幕からの2大会で連続ポールポジションを獲得し、ドライバーズランキングでもトップの#20 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 平川亮選手のスーパーGT37号車コンビがそろってトップ通過。今大会も引き続き好調であることが伺えます。
コース修復のため、定刻より17分遅れで行われたQ2では#16 TEAM MUGEN 野尻智紀選手がトップタイムをマーク。
ここで注目なのは14台から約半分の6台が姿を消すQ2で、今シーズンルーキードライバーとなる#4 KONDO RACING サッシャ・フェネストラズ選手、#50 Buzz Racing with B-Max セルジオ・セッテ・カマラ選手、#15 TEAM MUGEN 笹原右京選手が並み居るベテラン勢を相手にQ3に進出したことでした。
そしてポールポジションの決まるQ3では更に驚きの結果が待っていました。
サーキット全体が固唾を飲んで見守る中7分間のQ3が始まると、各車トラフィックを避けるようにそれぞれのタイミングでコースイン、入念にフレッシュタイヤを温めアタックラップに入っていきます。
計測も残り30秒あまりとなると、まずQ2でトップタイムをマークした16号車野尻選手が暫定トップに。するとその直後Q1A組をトップ通過した1号車キャシディ選手がタイムを更新します。しかし今度はQ1B組トップ通過の20号車平川選手がそのタイムをさらに上回るタイムを記録しトップに浮上。そのままチェッカーフラッグが振られ平川選手の3戦連続ポールポジション獲得かと思われた次の瞬間、COVID-19による入国制限の影響でこの第3戦SUGOがスーパーフォーミュラデビュー戦となった50号車、セルジオ・セッテ・カマラ選手が平川選手のタイムを0.053秒上回るタイムを叩き出します!
その後はタイムを更新するマシンは現れず、セッテ・カマラ選手が自身走行2日目となるSUGOでスーパーフォーミュラデビュー戦ポールポジションを獲得するという驚きの予選結果となりました。また、B-Maxとしても2017年の参戦開始から初のポールポジション獲得となりました。
果たしてF1レッドブルとアルファタウリのテストドライバーでもあるセッテ・カマラ選手がその速さを魅せポール・トゥ・ウィンを飾るのか、それともどのドライバーがそれを阻むのか、決勝が非常に楽しみになる予選結果となりました。
(H@ty)