全日本EVレース、来季2021年シリーズは賞金レースへ

■「開発支援金」が2021年のJEVRAレースで設定される

JEVRAシリーズ
2010年に発足したJEVRAシリーズ、2020年シーズン終了時点で計60戦を数える

地球温暖化防止と電気自動車産業の発展、人材育成を目的に2010年に設立され、以後毎年電気自動車のレースを開催してきている日本電気自動車レース協会(JEVRA)が、来シーズンの概要を発表しました。

来シーズンで、12年目を迎えるJEVRAシリーズですが、シリーズチャンピオンチームに最高1680万円もの『開発支援金』という名目の賞金が出るということです。

JEVRAシリーズ
コンバートEVで開発を続けているようなチームに対しての賞金として「開発支援金」が用意される

この『開発支援金』の支給対象となるのは、シーズンエントリーで「DEVELOP CLASS」に参戦するチーム(チーム登録制でドライバーの変更は可能)となります。

エントリーフィは1戦40万円の合計280万円(税別)。2021年1月29日の期日までにこれの納入を済ませたチームが対象となります。このエントリー台数により、最終的な開発支援金の金額は変わります。参戦チームが5チームならば280万円(税別)、つまりエントリーフィが全額戻ってくるということになります。

これまで、このJEVRAシリーズで戦ってきた自身の市販EVで参戦して個人で楽しんでいた個人エントリーの参加者は、引き続き参戦が可能です。こちらは「ENTRY CLASS」でのエントリーとなり、『開発支援金』の対象外となります。こちらはこれまで通り、一戦5万円のエントリーフィで、一戦ごとのエントリーが可能です。

JEVRAシリーズ
賞金が出る「開発クラス」とは別に「エントリークラス」も用意され市販EVでの争いも継続される

JEVRAからは、この開発支援金支給のほかにも発表がありました。スケジュールの詳細はまだ未定とされていますが、シーズン全7戦での開催を予定しているとのこと。2021年のレース開催地は6ヵ所が予定されることとなります。

近年は袖ケ浦、筑波、SUGO、富士を中心にシリーズを展開してきたJEVRA戦ですが、2021年開催サーキットを見てみると、2010年および2011年の開催以来となる岡山国際サーキットが復活するようです。また、2016年、2018年に開催されていたツインリンクもてぎも復活開催となりそうです。6サーキットで7大会の開催ですから、複数開催地があるということになります。

JEVRAシリーズ
2021年のJEVRAシリーズでは、レース距離も含め大きな変動がありそうだ

また、これまでJEVRAシリーズはレース距離を50kmレースを基本としてレースを開催していました。2014年からは複数回開催サーキットでレース距離の異なる変動制を採用しています。これは同一シーズンで会場が同じなら2回目の開催で55kmレース、3回目の開催で60kmレースにレース距離を変更するものです。

さらに、2019年シーズンには逆にレース距離を縮めた40kmレースも開催しています。

2021年シーズンのレース距離については、50km~100kmという記述もあります。ついに長距離でのレースが開催となるのでしょうか? 気になるところです。

ちなみに、この「開発支援金」等に関する説明会は、2020年シーズン最終戦を開催する11月14日(土)、富士スピードウェイにて行われるとのことです。

(青山 義明)

この記事の著者

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青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
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